夜ダンのワンマンを観てきました。
個人的にはついに......という感じもあるのですが、というのも、またライブを観たいと思うくらいに良かったフレデリック主催の対バンツアー高知公演ぶり(2019年)に、ようやくライブを観られるタイミングが巡ってきたからですね。嬉しい。『dip』も良かったですから。今、私の夜ダン熱は最高潮です。
とはいえ、ハナから参加できるぞ~とチケットを取って楽しみにしていたというワケではなく。なんなら、予定の兼ね合いがうまくいかず、今回も行けないだろうな~と思っていたくらいです。なので、色々とあって当日の夕方になり急遽参加できることになったことで、心の準備とかがサッパリできてないままあわただしく会場へ向かうことに...。
しかも、その上で、あまりに時間設定がギリギリすぎてフロアに入ったのが18:02という、近年まれにみるギリギリのギリギリっぷり。定刻どおりにははじまっていなかったおかげで、なんとか間に合ったとほっとしたのも束の間、息つく間もないほどすぐにSE(『ロシアのビッグマフ』)が流れ始めて、メンバーが壇上へ。
※この後、照明含む演出やMCについて言及する場合がありますが、どこかしらが間違っているという可能性は全然ありますので、ご留意いただけますとこれ幸い...。また、MCに関しては、いつものことですが、今回もすべてを記憶できておらず。抜けがあきらかにある上でニュアンス祭りとなっていることを予め記しておきます...。
最後にステージに登場した米田さんが「踊れる準備はできていますか?」とフロアに問いかけ、こちらとしてはいよいよ、という感じもしてくるのですが、その流れでバンド全体でのセッション。そして、「僕たち、京都のバンド夜の本気ダンスです」と告げた上で、1曲目をタイトルコール(恐らく。立ち位置もあって、実は鮮明には聴きとれなかった...)。ニューアルバム『dip』収録の新曲『DYWD?』です。アルバム内ではもっともステレートにアッパーと言えるような楽曲ということや「Do you wanna dance?」と問いかける歌詞からして、1曲目にはこれ以上ないと思えるというところ。
そんな『DYWD?』から繋がっていくのは、ギターをおろした米田さんが解放されたかのように体を揺らしまくる『審美眼』で、1曲目ではまだ大人しめな雰囲気もあったフロアの熱が急激に高まっていきます。そんな光景を見ていて感じるのは、この曲がまさにライブで育てられてきた楽曲だということ。リリースから何度も繰り返し演奏されたことで、原曲からさらにダンサブルになったサウンドの凄まじさには持ってかれてしまいますね。
と、ここで一回目のMCです。米田さんが「改めて、僕たち、京都のバンド夜の本気ダンスです」と告げたところで鈴鹿さんにバトンタッチ。記憶が曖昧なのであれなのですが、ここでのMCは割と短めで、ざっくり書くとGWを終えてしまった皆さんのためにGWを引き戻しにきました、というところに落ち着いていく内容だったと思います。
GWにちなんだMCであったことで、次の曲は『Gold』?と若干思うところもあったのですが、勿論そういうことはなく。続いては新曲『GOOD LUCK』です。1曲目につづき米田さんがギターを構えていたことで、その4ピースバンドとしての出で立ちのカッコよさというのを改めて感じる瞬間がありました(それは、この後も何度も感じることなのですが...)。
演奏を終え再び米田さんがギターをおろしたところで続くのは、フロア一丸となって踊りまくる『fuckin' so tired』、そしてそのアウトロのコールアンドレスポンスが「Yeah (Yeah)」となることでそのまま滑らかに繋がっていく『Movin'』(鈴鹿さんがドラムを叩きながらR-指定のラップを歌っているのがスゴすぎる)という、キラーチューンの2連打。そして、そんなアッパーな流れから、ここまでとはまた違うヘヴィかつグルーヴィーな質感も感じられるロックチューン『Melting』が放たれるのだから、結成16周年を迎えて全方位ダンスロックを極めまくっているという夜ダンの現在地点というのが感じられるというところです。
とにかく踊る以外にないという流れが続いていますが、次の曲で雰囲気が一転。夜ダンがすぐれたメロディーメイカーであるということの証明であるというほどの名曲『Eternal Sunshine』です。その美しいメロディーと、アウトロでの合唱パートは、オレンジ色の暖かい照明の色合いも相俟ってつよく胸を打つものでした。また、個人的には西田さんのギターソロが沁みましたね~...。いつぶりかというくらい久しぶりに、ナマで聴いたギターソロにグッとくるという瞬間が....。圧倒的な大団円感を残し、再びのMCタイムへ。
ここのMCは結構長かったので、前後半に分けて。まず鈴鹿さんが主に話した前半部分に関してかいつまんで書くと、前回来た時に松山が栄えているということに気づいたため、愛媛と言えばというみかん(今更?という空気になったため、その流れで『dip』のジャケットは愛媛のみかんをイメージして発注したとも)を楽しむべく、noma nomaというお店で「一番高いのください」と買ったみかんジュースが甘くてビックリしたという話。結局、2本も飲んだことで、俺の体には今みかんが流れていますというのがこの話の終着点でした。
で、後半は、そんなここぞとばかりに愛媛愛を表明する鈴鹿さんに対して。主に西田さんと米田さんから、「昨日の岡山がめちゃめちゃ楽しかったみたいで、この人今日遅刻してますからね」、「朝集合したら三人しかおらんから、今日スリーピースかと笑」、「前日ホテルのエレベーターでも確認したんやけど、(遅刻したから)楽しみやないんかなと思って」と、猛ツッコミを受けた鈴鹿さんは「朝ベッドで発車時刻9:45か、と思って駅行ったら乗る電車なくて、よく見たら9:25で...笑」と釈明。結局、ひとりでしおかぜに乗って松山にきた(このくだり、米田さんが話していたのですが、「はまかぜ......しおかぜ?」とわからなくなっていて、マイケルさんに「それ(はまかぜ)は甲子園いくやつやな」と訂正されてました)らしく、最終的に、遅刻した分(鈴鹿さんだけ)ライブ後も愛媛を楽しんでったら、俺ら帰るけど、というオチがついていました。で、どういう流れだったか、このあとで、西田さんにも松山の良いところ聞くという話になったものの、西「これを話しているとあと5曲くらいカットしないといけなくなるから」 ?(失念)「簡潔に!」 西「この後もトークパートあるんで」 マ「MCをトークパートって言った!? テレビの人!?」というようなやりとりも。
そんな関西人らしくしゃべくりまくるトークパートが終わったところで、クレイジーになれますか(踊れますか?だったかも、自信なし)という米田さんの問いかけとともに演奏されるのが、バンドのキラーチューンのひとつ『Crazy Dancer』です。休憩ともいえるようなMCを経たタイミングであっても、フルスロットルでフロアを踊らせることができる夜ダンの凄まじさというのを思い知らされるのですが、それはあくまでこのセクションにおいての始まりに過ぎず。「本気ダンスタイム!」と告げ、始まった次曲からフロアの温度はさらに上昇していきます。
少しずつ期待を高めていくかのような導入を経て奏でられ始めるのは『Ain't no magic』。以前、ライブを観たときの1曲目にも演奏されていたことで強烈に印象に残っていたこの曲をまたナマで聴けるというのがとても嬉しいのですが、やっぱりリフ部分での爆発力がすさまじいです...。この1曲でもうもってかれるというくらいの破壊力。ただ、これは本気ダンスタイムであるがゆえに、曲終わりにも一切の間隙を設けないままセッションに突入していきます。その息つかせぬ流れでさらに叩き込まれるのがアルバム曲『ABRAKADABRA』。『dip』は新しい質感の音がありながらも、トータルでは前のめりなロックさがあるという印象が強いのですが、その印象をまさに形作っているうちの1曲がこの曲だと思っています。しかもこういった曲はナマだとさらにスゴい。もうひたすらにカッコよかった...。という中でも、やはり音は止まず。『ABRAKADABRA』でついた弾みそのままに突入するセッションは、ギター2人から交互に奏でられるピッキングが印象的なもの。これを何度か繰り返したのち最終的にふたりのストロークが合流してはじまるのが『Take it back』です。『Fetish』が夜ダンのアルバムで一番好きな身としては、その収録曲が多数演奏される今日のセトリはめちゃめちゃ嬉しいのですが、やっぱりその中でも『Take it back』はイイ...。ひたすらに繰り返されるクールなサビメロとダンスビートの相乗効果たるや...。というところで、やはり間を空けず奏でられる、次なるセッションへ。ここでのそれは西田さんが激しく掻き鳴らすコードストロークに併せてバンド全体でキメを行い、すこしずつテンポを落としていくというもの。果たして、このずっしりとしたテンポ感で放たれるのは...と思っていると、鳴り始めるのは『GIVE & TAKE』のイントロの同期音。ナマでは初めて聴いたけど、ま~~~~~~~~~~~~~じで最高すぎでした。
ブチ上げにブチ上げるこのセクションもピークへの到達とともに終わりを迎え、ここから三度(みたび)目のMCパート。ここもガッツリめだったので、話の流れに分けてざっくり記すというかたちで。
①米田さんがまだこの後(MC後)も踊れますかというようなこと(たぶん...記憶が怪しい)を問いかけたところ、なぜか反応が返ってこず、「あれれ!?笑」「コナンくんくらいのあれれ?が出てしまった笑」というリアクション。その上でもう一回問いかけてみた結果、ささやかな「はーい」という声が。それに対して、「愛媛は優しい!包み込まれるようなはーいだった!浴びたいくらい!」。
②米田さんとマイケルさんを中心に。まず、サロンキティは定期的に来ているという話。米「前はソングバーズ、その前はニガミ...忘れられない......」 マ「忘れらんねえよ?」 米「忘れらんねえよではない...笑(忘れられない思い出がたくさんあるということが言いたかったよう) やったっけ?」 マ「ここではやってない。」という話から、サロンキティの楽屋のポンジュースは県外バンドマンはタダだが県内バンドマンは100円という話へ。米「内に厳しい笑」 マ「でも、100円は優しいのかも(安いから)」 (どこかでポンジュースをウォッカで割って云々という話が西田さんからありました) その流れで、メンバーの出身地が皆関西という話へ。米「関西が来てるようなもんなんで」
③どういう流れだったか失念したものの、鈴「(西田さんに対して)ピロシキの匂いさせやがって!」と言ったことで兵庫の話に。ピロシキはロシアの食べ物という点に準えて、西「(西田さんの地元の気候が寒いことで)兵庫のロシアってことですよね?」 鈴「.........(違ったらしい)」 また、これも流れは忘れたのですが、神戸の人いる?と客席に問いかけたところひとりだけ手が上がり、西「海側のやつやばいやつばっかなんで。あの人にはみんな気を付けてください!!!」 西「これが兵庫のやりかたや!!!」
今まで観たライブのなかで、こんなにメンバー全員がしっかり喋れるバンドはあんま観たことないなというのを感じるくらいにMCの内容が濃密であることで、もはやお題のないトークライブとかでも全然いけてしまうんだろうなと思うくらいなのですが、この日はあくまでも『dip』のリリースツアー。そういうわけで、米田さんが「次は『dip』から」と告げた上ではじまった、ビッケブランカの参加によってバンドに新しい質感の音がもたらされたことが強く感じられる『Vivid Beat』(サビで腕を左右に振るノリがあったのはこの曲だった?)を皮切りに、つぎのセクションが幕を開けます。ここまではあまり『dip』の収録曲をやっていなかったことで、ある意味リリースツアーであるということをそれほど意識しないままでここまできたのですが、ここからは『dip』の楽曲を連発することでそれをつよく感じられるという流れへ。Bメロで鈴鹿さんがボーカルをとる姿が印象的だった『Gold』、西田さんがテレキャスターに持ち変えたことでより尖った音を感じさせられる『パセティックガール』......と、このセクションでの様子からはバンドが持つ引き出しのいくつかがわかりやすく見えるというところもあったり。
そして、ここで米田さんのMC。今回は『dip』のリリースツアーではあるものの「聴いてくれている人もいない人も、どちらも楽しめるライブをしようと思っています」とバンドの矜持を明かした上で、ライブはいよいよクライマックスへ。MVの振付を一丸になって踊るという光景が強烈に印象に残る『ピラミッドダンス』、夜ダン史上最大にハードなショートチューン『Crush me』と、クライマックスにふさわしい怒涛の展開を経たところで、本編を締めくくるのは代表曲『WHERE?』。なぜか2Aでマイケルさんの背後につく西田さん、そして定番のコールアンドレスポンスとマイケルさんの「踊れ松山!」と、記憶に残る瞬間がたくさんあるというのも長く演奏し続けてきたからこそのもの。ラストまでブチ上がらせてくれました。
熱い本編を終えてメンバーが捌けたところで、アンコールの待機時間。手拍子をしながらすこし待っていると、西田さんと鈴鹿さんが再び壇上に登場(すこししてマイケルさんも)。MCが行われます。
まず鈴鹿さん。ここでは最初のほうでも話してたジュースの話。「一番甘いのください言うて頼んだジュースがマジで甘くて、砂糖はいってるんですか?って聞いたら、うちは果汁100%でやってますって言われた...笑」 マ「一番高いのとか一番甘いのとかアホの金持ち(こんなニュアンスで言ってた)やん笑」 西「あとで、Twitterでエゴサしたら(店の人のツイートが)ひっかかるかも」
そして、西田さんは、松山が種田山頭火、夏目漱石と縁がある地であると話した上で、漱石コーヒーに行ったら「生きてる猫」がいたというエピソードを。途中、鈴「米田?」 西「米田は彼です」 鈴「(種田山頭火を知らないというくだりを経て)社会は小2で捨てたからなあ」 西「小2の社会ってどのへんなんですかね...」とあらぬ方向へ話が向かっていったことで、マイケルさんに「そんな話してるからちょねくんがでにくくなっちゃってる笑」というシーンもあったり。また、その流れで、松山の街にトー横系の服装をした若い子がいたのを見かけたことで、若い子のバリエーションがあることが都会の条件であるという点に照らし合わせて松山は都会であるという論を西田さんが展開したのですが、賛同は得られず...。
そんなこんなで、色々と話した上で曲の演奏へ。1曲目は「ラブラブしようぜ!」という言葉を前置いてはじまる『LOVE CONNECTION』です。曲後半、「高く飛べますか!」という号令とともにジャンプするという楽しみ方がとても楽しい...。そして、ついにラストの曲。今日のライブを締めくくるのは『B!tch』です。個人的に、『WHERE?』ともども、夜ダンと出会った10年ほど前に聴きまくっていた曲ということで非常に思い入れがあるのですが、こうしてナマで聴くことで未だ色褪せないどころか、当時よりもずっと良く感じられるな、という、そういうことを思いました。
演奏を終えたところで、スタッフの方がポンジュースをメンバーそれぞれに手渡し、そして乾杯するというこの会場ならではの光景も。西田さんが一気に飲み干した上で缶を掲げながら捌けていったことで鈴鹿さんに「往年のロックスターのやつや!」と突っ込まれていたり、マイケルさんが異常にチビチビ飲んでいることで年寄りみたいだと指摘されてその言葉通りに腰を曲げてゆっっくりと捌けていったり、と、こういった様子が見られたこともまたこのサロンキティだからこそ、であると思います。
その後、ステージに2人が残った2人がかるく話した上で、鈴鹿さんが「またアルバム作ったら来れるということですね?」といつかのこの場所での再会に期待を感じさせる言葉で綺麗に締めた上で、今日のライブを本当に締めくくるべく一本締め。一本締めの文言を口にする過程で「皆さんの老後の安全を祝って...」(?)と、あきらかにおかしなことを言っていたことも含め、最後の最後まで楽しいとしか言いようがないライブでした。
ライブが終わって数日が経ってこの文章を書いているのですが、MCがおもしろいとかとにかく踊れて楽しいとかそういう即時的なところはやっぱり強くあってそこが良かったなあと思いつつ、それと同時に日本のロックシーンのトレンドが移り変わった今でもなお、夜ダンのこのスタイルが変わっていないことってすさまじく非凡なことなんじゃないのか?と思い始めています。
コロナ前の踊れるライブのあの感じって、ある意味「流行り」でもありました。だからこそ、そういう流行りが過ぎ去っていったこと、そしてあの頃のバンドたちみな歳を重ねたことで、それぞれがそれぞれのやり方やポジションに落ち着いていっているなというのはしばしば感じます。そして、そうなっていくのは当然であるからこそ良い・悪いではないのですが、それとしたうえで、今も昔も変わらずこういったビート感とスタンスをステージで見せ続けている夜ダン(つまり、この踊れるライブをやりたいこととしてやり続けている)って、あまりにカッコよくないですか!!という。
背負ったそのバンド名を全うするかのようにその音楽と演奏、パフォーマンスを研ぎ澄ましつづけるという日々、そしてそれがツアータイトルのとおりまさに「青春」となっている夜の本気ダンスの現在地点を見たという、そんな一夜でもあったのではないでしょうか。
セットリスト
01. DYWD?
02. 審美眼
MC
03. GOOD LUCK
04. fuckin' so tired
05. Movin'
06. Melting
07. Eternal Sunshine
MC
08. Crazy Dancer
09. Ain't no magic
10. ABRAKADABRA
11. Take it back
12. GIVE & TAKE
MC
13. Vivid Beat
14. Gold
15. パセティックガール
MC
16. ピラミッドダンス
17. Crush me
18. WHERE?
en01. LOVE CONNECTION
en02. B!tch
投稿まとめ
愛媛もさいこーやわ🫠🔥🔥
— 鈴鹿 秋斗 / 夜の本気ダンス (@suppiiyy) May 11, 2024
いつも楽しい時間をありがとう🦭🧡🧡
岡山と松山、来てくれたみなさんありがとうございました!
— マイケル(夜の本気ダンス) (@twin_turbo_mic) May 12, 2024
一人だけ松山残って満喫してます🍺 pic.twitter.com/DY76YnBY8U
松山でした。
— 西田一紀 / 夜の本気ダンス (@k_daisyloo) May 11, 2024
おおきに。https://t.co/UD8n9Up40A
▲ツアー4本目終了🚗
— 夜の本気ダンス (@honkidance) May 11, 2024
松山サロンキティ終了🕺
ポンジュースで乾杯しました🍊
18dipツアー次は神戸に行きます🔥
お待ちしてます📣
▲ 2024年5月21日(火)
▲ 神戸 太陽と虎
▲ OPEN 18:30 START 19:00
#18dipツアー pic.twitter.com/xuqgy0lpLE
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