感想のブログ

⚠ネタバレ有

2024/05/20 ネクライトーキー 「TORCH」 リリースツアー 「ゴーゴートーキーズ!2024」 @松山サロンキティ

ネクライトーキーのアルバムツアー愛媛公演を観てきました。

 

 

サロンキティに訪れたのは先週の夜ダンのワンマンぶりなのですが、ネクライトーキーのワンマンに足を運ぶというのはコロナ禍の制限下で開催された『MEMORIES2』のリリースツアー以来! 去年はさっぱり縁がなくて、楽曲投票を基にしたツアーはチケットが取れず、秋の全国ツアーは近場の岡山・高松公演がB'zのヤンマースタジアム公演と丸被りで参加できず、しかし延期になったからワンチャン!...はなくて最終的には中止に、ということで、本当にお久しぶり。バンド活動を重ねていく日々のなかで撒いてきた種が芽吹いた、と思うほどに、ネクストステージへの突入を感じさせる『TORCH』が暫定今年イチの大名盤だと感じていることで、非常に楽しみにしてきました。アルバムのリリースツアーでこんなにワクワクしているのは初めてかも(聴いていてすでにライブの景色が浮かぶと言うかんじでしょうか)、というくらい。

小雨が降っていて肌寒い(というか、雨関係なく最近の気候自体が5月なのに寒い日がなぜか多いという)道中を乗り切ってのそのそと場内へ。サロンキティは客席後方に段差があるため、ステージが観やすいのが非常に有難いということで、そのあたりで良いポジションを見つけて開演を待っていると、開演時間を1、2分過ぎた頃暗転。激しめの照明を伴ってSEが鳴り始めるなかでメンバーが登場し、いよいよライブがスタートします。

 

※この後、パフォーマンスや照明、MCなどの内容について記載するのですが、終演後メモを取る時間がなかったことで、非常にニュアンス感が強いものとなっています。ご留意いただけますと、これ幸い...(でも、毎回記憶が怪しいから、もしや自分って覚えられない人間なのでは?という疑惑も最近は生まれてきてたり...)

 

1曲目はアルバム同様に『ちょうぐにゃぐにゃ』。初っ端のドラムの音からして、そしてそこから入ってくるバンド全体の音からして、もうすでに鳥肌が止まらないのは、楽曲自体が持つスケール感と、現在のネクライトーキーがライブを重ねてたどりついた現在地点というのが強烈に感じられるから。ライブをもっともよく観ていたのは2019年という結成間もない頃だったということもあって、そこからの進化と深化というのを1曲目にして存分に感じていたのですが、ここからもっさの「ネクライトーキーです!」といった自己紹介を兼ねる号令とともに雪崩れ込んでいくのは、『ゆるふわ樹海ガール』などを連想させるような性急なノリを持った『bloom』です。ただ、過去の曲を連想させる、と書いたものの、あの頃と変わらぬ前のめりな衝動性と同時に感じられるものがあり、それがバンド全体の演奏と歌唱の安定感。この感覚というのは音源からして感じられていたものでしたが、ナマで聴くとそれはより強く感じられるというもの。ライブを重ねてきたことで増したアンサンブルの盤石さは、あまりにカッコよくてなんだか感動してしまっていました。

そんな流れにおいて、朝日さんが先導しフロア全体で「5! 4! 3! 2! 1! ファイアー!」と声を合わせる光景が印象的な代表曲『オシャレ大作戦』(MVの1,000万回再生おめでとうございます)が3曲目にして演奏されることで、序盤からして畳みかけの凄まじさを実感するのですが、「ドラムスカズマタケイ!」、「キーボードむーさん!」という各メンバーの見せ場で、各々と立ち位置が被ってしまう前方のメンバーがすかさず屈むという姿はネクライトーキーらしい気遣いというのが感じられるシーンであると思います。

と、ここでMC。「愛媛の皆さん、こんばんは!」ともっさがあいさつし、このツアーが『TORCH』のリリースツアーであること、そして自由に楽しんでほしいということを簡潔に話した上で、「次はアルバム『TORCH』から! 『新島工場探検隊』!」と告げ、同曲の演奏へ。『ちょうぐにゃぐにゃ』のところでもスケール感ということを書いたのですが、それを感じられるのはこの曲でも。豪快なリズムと、転調を伴って突入するサビメロのカッコよさ、もっさのささくれだった質感の歌唱というのは、こうしてナマで聴くからこそ、音源で聴くよりもずっと痺れてしまうというのがあります。

そんなロックテイスト強めの前曲から、一転。続くのは、「仕事や学校、夢や目指しているものに向かって頑張っているあなたへ! わっしょーい! まっしょーい!」(「まっしょーい!」の部分は観客といっしょに)といった前置きがあることで、歌詞に登場する「明日も仕事を頑張りまっしょい」というフレーズが届く対象を広げた上で、より具体的に響くような『わっしょいまっしょい』です。間奏で、「ここでメンバー紹介します!」と、順番にメンバーの名前を告げた上で最後にキーボードソロを弾いてくれるむーさんの名前を観客全員で呼ぶという楽しい演出もあったことで、これまでよりもずっと印象深い曲になったというところも。

ほっこりするようなあたたかい空気が生まれたところですが、そこに間髪入れずに入ってくるのが、カズマさんの鳴らす重めなビートを中心に展開していくセッション。その最終地点にあたるバンド全体で刻む8分のビートを経て、はじまるのは『ふざけてないぜ』です。『TORCH』収録曲ではあるものの、リリース自体は2021年であることで、アルバム通しで聴いたときの、他の曲との温度感の違いというのはやっぱりちょっと感じたりするという楽曲なのですが、こうしてアルバムツアーのなかで聴いたときにそれをまったく感じなかったというのは、この『ふざけてないぜ』が2024年のネクライトーキーの演奏と歌で以てしっかりとアップデートされていたから、なのかなと勝手に感じています。

そういった2024年のネクライトーキーのまさに象徴であるというのがアルバム『TORCH』であり、その収録曲を次々と演奏していくというのがこのセクションだったのですが、このラストを飾るのが、もっさが藤田さんとアイコンタクトを軽く取った上で歌い始めるという様子が印象的だった『浪漫てっくもんすたあ』。音源からして良い意味でヘンテコな曲なのですが、こうして演奏されているのをいざ目の当たりにすることでそれはさらに極まっていて、Aメロのメロディーラインはもっさが歌っている姿も相俟ってあまりにコミカルすぎるし、2A冒頭のボーカルは思ったよりもずっとリバーブのかかり具合が凄まじいという...。そして、それと同時に、そういったシュールで楽しい部分と、間奏のもっさと朝日さんが交互にギターを弾くパートでお立ち台に上がる姿のカッコよさ、そもそもの抜群の盛り上がり......というものが共存していることで、端的に言うとライブ映えしまくっていました。これからのネクライトーキーのライブにおける大事なポジションを担っていくポテンシャルすらあるんじゃないか!?と思うくらいに。つまり、めちゃめちゃ楽しかったってことです...。

というところで、ふたたびのMC。もっさが「去年リリースした『TORCH』の...」というこの日のライブがリリースツアーであるという話をひとしきり終えたタイミングで、藤田さんに「『TORCH』は今年...」と突っ込まれてしまい「私、去年って言った!?」と、この後のMCでも明かされる天然っぷりを見せたり、制限下において開催された『FREAK』のリリースツアーぶり2度目の松山でのライブであることにより「松山の人って声出せるんだ!?笑」と思ったという率直な感想が明かされたり...といったもっさを中心にした流れから、「ワンマンだから、普段喋らない後ろの2人にも話を聞いてみたいと思います!」と、むーさんとカズマさんが喋るコーナーへ。

まず、むーさんに「『わっしょいまっしょい』の間奏で名前呼ばれるのってどんな気持ち?と聞くのですが、「もっさが教育番組みたいなフリをするから恥ずかしい」という返答が。観客目線だと、言われてみればそうと言えばそうかも...と思わないでもなかったりするというところから、愛媛は実はむーさんの出生の地という話に着地。つまりは、凱旋ライブ...!

で、続いては、カズマさん。「なにかありますか!?」という雑とすらいえる振りに対しての「なんかお題を...笑」というやりとりから、「愛媛っぽいことしてたよね?」ということで、「SAで"み"ではじまって"ん"で終わる果物のジュースを飲みました」という話をしていました(蛇口が何種類かあって飲み比べとかブレンドもできたという話、これを飲むのって観光客っぽいのかな?という話、紅まどんなが気になってるというニュアンスのことを言ったところ、むーさんが清見派ということを明かしたくだり、みたいなのもあったけどあまりにうろ覚えで纏まられなかったので、ここでは小文字で...)

こういったメンバーをしっかりフィーチャーするという姿勢は、先ほどの『オシャレ大作戦』で見られた後方メンバーのソロで屈むといった様子とも一貫するものであると思うのですが、ここで「藤田、歌ってもらえる?」とのもっさの問いかけに、藤田さんが「しゃーないな」と返すことによって始まるのが、この2人でのデュエットバージョンもリリースされていることでおなじくメンバーをフィーチャーしたと言える『君はいなせなガール』です。石風呂曲のセルフカバーを行うというのがネクライトーキーの活動おける目玉のひとつでもあるのですが、それをすっかり忘れていた!とこの曲のイントロで思ったというくらいですから、それほどに『TORCH』の世界にのめり込んでいたという気がします。

たった1曲の熱気にして、MCの空気を一気にライブモードに切り替えたところで、続くのは『悪態なんかついちまうぜ』。背伸びしすぎていないMVでのかわいらしい印象というのもやっぱりある(2番の「人 人 人」の部分で、もっさがまさに歌詞のとおりの怪訝そうな表情で客席を見ていたのがかわいらしかったです)、というのと同時に、こうしてナマで聴くことでなかなかどうしてロックな曲だということを思ったり。それというのが、音源よりはるかに演奏が生々しくグルーヴィーであったこと。そしてサビの照明がこの上ないほどに真赤だったから。とくに後者に関して、たしかに悪態をつくときは憤りを感じているからこそだよなあ、そりゃ照明もこんだけ赤くなるよなあと、一聴するとかわいらしくも思えるこの曲に籠められた気持ちのヘヴィさというのに思いめぐらせられたり。

そういった鬱屈とした感情を吐き出しながらも、それでもゴミの入った自転車で「ふらふら漕ぎ出す」という歌詞で締めくくることによって、悪態をつきながらもあくまで進んでいくという、ネクライトーキーらしい姿勢を示したところで、間髪入れず奏でられ始めるのが大名曲『あべこべ』。ライブアレンジが加えられた前奏があることでより鮮烈な印象も受けたというこの曲ですが、とにかくシンプルな構成をしているからこそのメロディーの美しさ、歌詞の美しさ、これがやはり素晴らしかった...。前回のツアーでは本編ラストに演奏されたことでメンバーの思い入れも感じられたのですが、今回も本編の前半を締めくくるような位置での披露ということで、やはり大切にされている楽曲なんだろうなと感じます。個人的には、夏の野外ライブで聴きたい楽曲ナンバーワンだったり。

爽やかな空気を残したところで三度(みたび)目のMCへ。ここでは朝日さんが主となってのものとなりました。「いろいろな曲をやるバンド(入っているアルバム?だったかも)がすきなので、『浪漫てっくもんすたあ』みたいな不思議な気持ちになる曲や『ちょうぐにゃぐにゃ』みたいなまっすぐな曲(ぐにゃぐにゃなのにまっすぐ?という困惑っぽい笑いが客席から起きていて、もっさも笑いながらも、「そうだね」とはっきりとした声で言っていたのが印象的でした)も作って」というMCから、次にやる曲を「人にやさしくするのって難しい」という気持ちからできた曲だと紹介。続くのは『紫』です。名曲ばかりの『TORCH』なのですが、こちらも名曲。とくにイントロの空気が変わるような感じ、本当にグッと来てしまいます。そして、サビの照明はタイトルどおりに紫。

と、ここでセッションへ。ネクライトーキーはイントロにライブアレンジが施されることがあるのが非常に楽しくて、次はなんだろうというワクワクというのが毎回のライブにあるのですが、ここで演奏されたのは『ランバダ・ワンダラン』。ネクライトーキーはメンバー全員がコーラスできるのが強みだなあというのを感じるような1曲でした。

そんな『ランバダ・ワンダラン』を演奏し終えたところで、もっさが「昔の事なんですが、不思議なことがあって...」と口を開きます。ざっくり書くと、朝日さんが白い有線イヤホンをなくしたというので一緒に探していたら、なぜか自分のポケットの中にあったという話だったのですが、それについて怖かったですというような方向性のことばで締めくくったもっさに対して、朝日さんが「俺がな!?笑」というツッコミをするのが、ごもっともでしかなくてめちゃめちゃ面白かったです。

こういったエピソードトークから始まっていくのが、『ねぇ、今どんな気分?』。もしかして、さっきの話はこの曲への橋渡し的な意味合いがあったのかな(タイトルからの連想で)とも感じたりするというところで、間奏に入ると朝日さんが「この曲ではもっさが魔法使いになります!」と宣言。そんなもっさはギターをおろしてステッキを2本持っているという様子なのですが、つまりはステッキを上げ下げすることで音量をコントロールできるということのようで、各メンバーの演奏を巧みに操っていきます。さらにはそんな中でしっかりと観客も参加させることでより特段の盛り上がりが! そんなやりとりをひとしきりやり終えてから原曲の演奏に戻るというタイミングで、バンド全体で鳴らす1音目に合わせてギターを構えたもっさがお立ち台からジャンプしながらピッキングすることにより、もうこの上なくカッコイイという光景が生まれていました。コロナ禍での『許せ!服部』のパフォーマンスの発展形ということも思ったのですが、やっぱりこういったパフォーマンスからはメンバーの器用さというのも感じられ、とても楽しいです。しっかり観客参加型というかたちになっているのも、ネクライトーキーの人柄。

そして、『ねぇ、今どんな気分?』の演奏をしているときから、アコギのセッティングが行われているのが見えていたのですが、ここからはもっさがアコギ(おニューとのこと)を手に取って演奏するコーナー。「部屋でひとりでギターを弾きながら歌っていたら、めっちゃ良い曲だと思った曲があって。結成当初につくった曲で、これまでほとんどやってこなかったんですが、こういう気持ち(部屋でひとりで弾き語っていたらめっちゃ良い曲だと感じたという)を共有するのもライブだと思ったので、やってみます。ライブハウスだから、部屋でひとりじゃなくて、そのまんまいっしょではないんだけど」ということを話したもっさが、コードストロークとともに歌いはじめたのは「冴えない暮らし 明日ゴミ出し忘れないように覚えていてほしい 響く音は夏の雷鳴 心細さがふっと胸に刺さる」というフレーズ。2018年にリリースされた1stフルアルバムを締めくくる『夏の雷鳴』です。

当時のリリースツアーには、対バン2公演、大阪でのワンマンと、計3公演参加したものの、けっきょくこの曲を聴くことはかなわず。東京でのワンマンだけでやっていたということを後に知って、今後聴けることってもうないんだろうなと思ったことを覚えているのですが、まさか今になって聴けるなんて夢にも思っていませんでした。そんな現在のネクライトーキーが演奏する『夏の雷鳴』は、アコギのコードストロークが主体になっていることでバンドの演奏のダイナミズムを力強く感じさせるというアレンジになっており、その上でそこに彩りを加えていくむーさんの鍵盤ハーモニカ。この音色がまたグッときましたね...。アウトロでもっさが原曲のメインリフを弾くことで、そのリフが大好きなじぶんとしてはうれしいという気持ちになったりもしたり。

正直思わぬ伏兵が登場したという気持ちにもなったのですが、まだその流れはやまず。「せっかくアコギ持ったのでもう1曲やります!まだ夏には早いけど...」と告げた上でタイトルコールされたのは、さらなる伏兵『夏の暮れに』。さっきから個人的な話ばっか書いているんですが、コロナで『ZOO!!』のリリースツアーに参加できなかったことで聴けていないままになっている同アルバムの収録曲がいくつかあり(『放課後の記憶』、『夏の暮れに』、『虫がいる』、『渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進』)、その中でももっとも好きなのが『夏の暮れに』。まさか今ここで聴けるなんて、という気持ちです。もっさパートがアコギで弾かれている以外のアレンジは一切変わらないままであることで、原曲の良さとアコギの音の優しさの両方が感じられて、前曲につづいてこちらにもグッとくるものがありました。

アコギを取り入れたことによって、また異なる質感の音が感じられたというのが先ほどのセクションだったのですが、ここで朝日さんから「アコギの(オノマトペ)という音も好きなんですが、ぼくはエレキギターの(オノマトペ)という音も大好きで...。皆さんは大きい音は好きですか!?」との問いかけ。当然のように、ここにいる人たちがエレキギターの大きい音が好きでないわけもなく。そんなやりとりを経て、奏でられ始めるのは、原曲、さらには以前のライブ以上に歪んでるんじゃないか!?というほどにも感じる『めっちゃかわいいうた』のギターリフ。2019年頃のしばしばライブを観ていたときの1曲目はこれか『レイニーレイニー』であるということが多くて、こうしてナマで聴くといまだにワーーーとなってしまうのですが、そんなあの頃を思い出すのは続く『こんがらがった!』も同じく。「こ.........こんがらがった!」という導入からしてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!というかんじです。

そんな盛り上がるしかないという流れを締めくくるのは、『FREAK』収録の『俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ』というナンバー。2021年唯一参加したライブである『FREAK』のリリースツアー高松公演でナマで聴いてめちゃめちゃに刺さったことも思い出すという楽曲なのですが、その刺さるという感じは今回もまったく変わらず。コーラスというよりも最早叫んでいるとすら感じられる朝日さんの姿、立ち上がってドラムをブッ叩くカズマさんの姿をはじめとする、この曲だからこそ視覚的に入ってくるステージのエモーショナルな光景というのは、そのとびぬけたキャッチーさゆえに表面だけで捉えられてしまうこともあるであろうネクライトーキーが持っているロックバンドでしかない熱さがストレートにあらわれているものであると思います。あまりに、カッコよかった。

ここまででなんと18曲。あっという間だったとは感じながらも、それと同時に凄まじい濃度と密度でもあった本編もいよいよ最終盤へ。ここで一度MCのコーナーです。再びイヤホンのくだりに話が戻って、朝日さん曰く、本当に申し訳ないという顔をしていたので素でやってやっているんだと思ったとのことだったのですが、最近もそういうことがあったと話しかけたところで、「とりあえず藤田に話してもらおう!」というもっさの言葉で話し手は藤田さんに。「その話なんですが、人数分のめぐリズムをもらったんですが、ひとつ足りなくて探してたらもっさがカバンに入れていて...」という、やはりもっさがいつの間にか人のものを懐にしまいこんでしまっていたというエピソードが明かされたことで、「ヤバいやつみたいなイメージつくやん!笑 振ったの私なんだけど笑」と反応します。

そして、ここですこし話の雰囲気は変わり、今回の松山が3年ぶりという話に。「3年ぶりなんですが、3年って下手したら忘れられるというか...時の移り変わりって速すぎる...」と話しながら、今にも泣きだしそうな声になるもっさ。「ダメだー!笑」、「じぶんの気持ちを話すの練習中で!」、「どこまで話したっけ!?」と、泣きそうになるたびに何度も話を中断しながら、ほとんど泣いてるという声で最後になんとか絞り出したのが、「優しくなくちゃ」って思ってる人に向けて、そうじゃなくてもいいと伝える言葉。その上で、タイトルコールをして鳴らされたのは、もっさ自身が筆をとり書いた歌詞であることでまさにそのMCと同じ想いが籠められていることがわかる『だから、』。これがもう、初っ端のバンドの音、そして逆光のような照明に照らされるステージの光景、に涙ぐんでしまうほどのカッコよさで。カッコイイという理由で出てくる涙というのは人生初めてだからこそそれほどにカッコイイバンドにネクライトーキーがなったんだな、そしてそんなカッコイイバンドになれたのはもっさをはじめバンドが一丸となって想いを音に籠めようとしているからなんだろうな(また、これは後付けなのですが、『TORCH』の良さの正体っていうのはもしかしたらそこにもあるのかも)...と考えてるとそこでまたグッときてしまうという。本当に、今この演奏を観られてよかったと大袈裟ではなく心から思いました。

そんなネクライトーキーの現在地点を目の当たりにしてこの上なくエモーショナルが極まっているというところで、もっさから次の曲が最後であることが告げられます。『だから、』のあとにこの曲があるからこそ、といったような言葉を前置きにして演奏されるのが『石ころの気持ち』です。清濁併せ持った上で自らの意思で生きていく、という言葉とメンバー全員の感情が演奏を介して共鳴していると、そう感じられてグッとくるというのは、まさにさっき『だから、』を聴いたときと同じ。もっさも言っていたことですが、この2曲はセットで聴くことでより、パワーを発揮するというのがまさに実感できたとそう思います。すばらしい本編の締めくくりでした。

 

本編を終えて一度捌けたメンバーが、アンコールに応えて再登場。まずは、今ツアーグッズのジャージを身に着けたむーさんと、タイダイ花火文字Tシャツを身に着けた藤田さんが壇上へ。「朝日さん、私の高さにマイク合わせてくれてる」と朝日さんのさりげない優しさについてむーさんが口にしながら、ふたりで話そうとするのですが、藤田さんは全身全霊の演奏を終えた直後であることにより息を切らしてしまい喋れないという様子。そんななかで、もっさとカズマさんもステージに現れるのですが、朝日さんの姿だけがなく......と思っていたら、フロア下手側の上部にかかっているサロンキティの幕と壁の隙間(出演者・関係者用の通路がそこなのかな)に、映画『シャイニング』のジャケットのようなかんじで顔だけを出している朝日さんが。そんなくだりを終えたところで、もっさが「今日ライブハウスに初めて来たという人はいますか?」とフロアに問いかけ、バンドマンにはグッズ紹介の指令がくだっているということを明かしながら恒例のグッズ紹介のコーナーへ(本編終わりに時計を確認したところ、すでに19:40はまわっていたこともあったのか、パパパっとテンポよく話してました)。箇条書きでかいつまんでどういう紹介をしていたか、覚えている限り書いてみようと思います。

 

・TORCHリリースツアーTシャツ→も「自分たちの顔が印刷されてて恥ずかしいから、みんながいっぱい着てください!」

・タイダイ花火文字Tシャツ→も「藤田デザイン」 藤「女の子が文字書いてるんだけど、鏡文字やからめちゃめちゃ上手い」 も「こっちはツアー日程書いてないから、普段着にも!」

・ともしびジャージ→も「もう暑いから、秋に向けて!笑」※印刷されているキャラはともしび君

・人生ぐにゃぐにゃトート→朝日さんデザインで、キーボードのところに座ってた朝日さんが話していたものの、その内容については失念...(すいません)。

・超ロゴど~んマフラータオル→デザインし直したことで、バンドのロゴのカドがとれたという話だったはず...。

・もっさ画伯のミニチュアTORCHキャンパス→も「自分で画伯っていうの恥ずかしいんやけど!笑」

・ライブエンジョイパス ゴーゴートーキーズ!2024編→も「10枚はサイン入ってます。もう当たってるひともいるかもしれんけど!」 (客席に当たっている人を見つけて)も「おめでとう!」

浪漫てっくランダムステッカー→も「『浪漫てっくもんすたあ』のMVの印象的なところをステッカーにしました」

 

大体こんなかんじだったでしょうか...。ちなみに、私は、ツアーTシャツ、(ここでは紹介されなかったけど)アクスタ、TORCHキャンパスを買いました!

そのへんの床にそのまま置いてあって危なかったトートバッグをむーさんが舞台袖に渡すという場面もあったりしながら、朝日さんが「我々、アンコールはチケット代に入らないと考えています」(ここでもっさが「残念ながらな」と言ってたのがなんかシュールでおもしろかった)、「最後にやりたいことやって帰ろうと思います!」と話してから、いよいよアンコールの演奏へ。

もっさのタイトルコールからはじまるのは、ネクライトーキー、そして石風呂楽曲のなかでも、最大級に衝動性を持ったロックチューン『ゆるふわ樹海ガール』です。そういう楽曲だからこそナマで聴いているとグワーっと沸き立つものがあるのですが、「ありがとうございました!!ネクライトーキーでした!!『遠吠えのサンセット』!!」とはじまる次曲もそれは同じく。2018年のミナホで初めて観たときもこの曲がラストだったのですが、バンドが『TORCH』という金字塔を打ち立てるほどに進化してきた今もなお、この曲にはその頃といまだ変わらぬ新鮮な初期衝動が感じられます。いつも思う事なのですが、今回だってやっぱりナマで聴く『遠吠えのサンセット』は無敵で最強でした。

 

あくまでじぶんの見たものとか感じたことの備忘録であるという想いのもとでいつもライブの感想を書いているので、あれもこれも、と全部を盛り込もうとしてついつい書きすぎるのですが、今回はここ最近でも最たるものだったような気がしています。

それくらいに大名盤『TORCH』を表現するべくして行われているこのツアーが、そのアルバムそのものの強度に負けないほどのパフォーマンスを以てして行われているというのが目の当たりにしてわかった、という上で、セトリまでもいい、と...。こんなにすべてに満足しているというのはなかなかないんですよね。

それに加えて、久しぶりに観たからか、バンドとして今がスゴく良い状態だというのが伝わりまくってきてですね...。色んな点でそれは感じられたのですが、とくにもっさがフロントマンとしてスゴく堂々とした姿でライブに臨んでいるというのが感じられたのは大きかった気がします。

で、そんな全部の気持ちを一言にひっくるめて書くと、「楽しかったし、超カッコよかった~!」ということです。今まで参加してきたネクライトーキーのライブは単にとにかく「楽しかった~!」と思っていたのですが、それと同時に超カッコイイと思える、そんなライブを現在のネクライトーキーがするようになっていたこと。これは最高以外の何物でもなかったと思います。素晴らしいライブでした。

 

 

セットリスト
01. ちょうぐにゃぐにゃ
02. bloom
03. オシャレ大作戦
MC
04. 新島工場探検隊
05. わっしょいまっしょい
06. ふざけてないぜ
07. 浪漫てっくもんすたあ
MC
08. 君はいなせなガール
09. 悪態なんかついちまうぜ
10. あべこべ
MC
11. 紫

12. ランバダ・ワンダラン
MC
13. ねぇ、今どんな気分?
MC
14. 夏の雷鳴
15. 夏の暮れに
MC
16. めっちゃかわいいうた
17. こんがらがった!
18. 俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ
MC
19. だから、
20. 石ころの気持ち
en01. ゆるふわ樹海ガール
en02. 遠吠えのサンセット

 

 

 

投稿まとめ

 

 

トップページ