- 406. seed (re-recording ver.) / yonige
- 407. ALICE (feat. 牛丸ありさ) / Age Factory
- 408. Black Star / TENDOUJI
- 409. ざわめき / Plastic Tree
- 410. snowspring / チョーキューメイ
406. seed (re-recording ver.) / yonige
今年リリースされた3rdフルアルバム『Empire』収録曲(small indies tableのコンピレーションに収録された『seed』が初出なのですが、そちらは聴いていないため、この再録版で初めて耳にした曲です)。
なにかとバンド名を目にすることが多かったコロナ前(『リボルバー』が会場限定盤としてリリースされたあたりまではリード曲だけではあるものの自発的にも聴いていて、一度だけフェスでライブも観ることもありました)はざっくりとギターロックというイメージも強かったyonigeですが、この『Empire』を聴いたところ活動を重ねるごとに音楽性が深く濃くなってきていて、メロディーの美しさとどこかけだるさを感じさせる牛丸さんの歌声という元来の強みをブラッシュアップさせながら、ロックバンドとしてステップアップを果たしていることがわかりました。
広告代理店主導のCMソングを歌っているのを見たとき、あまりyonigeに詳しくはないながらも、なんかどっかでずれが生じてるんじゃないだろうか...と思ったりしたのを覚えているのですが、現在の彼女たちの曲はやりたいことを突き詰めているということがビシビシ伝わってきてスゴく良い状態なんだろうなと思います。
407. ALICE (feat. 牛丸ありさ) / Age Factory
2023年にリリースされた配信シングル曲。
先週から聴けば聴くほどに現在のAge Factoryのパワーというのに打ちのめされているのですが、この曲がまたスゴい。令和の世ではそうそう聴くことがないようなオルタナティブど真ん中のサウンドの上で歌われる反復する美しいメロディー...。ボーカルを分け合いながら、ハモりながら、というなかで、Age Factory自体が牛丸さんと親和性バツグンであることも伝わってきます。
408. Black Star / TENDOUJI
4thフルアルバム『TENDOUJI』収録曲。
2019年のサヌキロックでライブを観たときから好きになったTENDOUJI(ライブはそれっきり観れてませんが...)。彼らの人懐っこい人柄がそっくりそのままあらわれたようなメロディーのキャッチーというのにはつよく惹かれ続けているるのですが、今年周年を迎えてリリースされたセルフタイトル作でもそれは不変。そのなかでもとびきりキャッチーなメロディーを聴かせてくれるのがこの『Black Star』です。あたたかいバンドアンサンブルや歌声も含め、一聴目からやられてしまいました...。
409. ざわめき / Plastic Tree
2023年リリースの44thシングルで、フルアルバム『Plastic Tree』に収録。
今年はいわゆる年間ベスト的なもの("的なもの"というのも、一般的なそれをやる際に聴いているべきアルバムをおそらく私は概ね聴いていないため、同じ名前でやってしまうと畑違いなのにおなじ土俵に上がったみたいになるかなあという気持ちから。年末頃に、記事出すときには別の呼称でやるであろうと思います)をつくるべく、まだ聴けていなかったアルバムとか一度聴いたものを聴き返しているのですが、そんななかであらためて聴いたこのプラのセルフタイトル作があんまりにも良くて...。
らしくもあり新しくもあることで30年続けたプラのこれまでとこれからを一挙に見せているように感じられる、個々の曲の濃さとアルバム1枚のストーリーとしてあまりにも完璧な起承転結が効いた構成(壮大な『ライムライト』にはじまり、長尺のアウトロが今作最後のハイライトとなる『夢落ち』で終わるのが本当に美しい)には感嘆です。
今週取り上げたい曲がいくつもあるという兼ね合いもあり、ここでは1曲だけ『ざわめき』を挙げましたが、正直良い曲多すぎて1曲どれかというとかなり悩むというのが正直なところでしたね...。
410. snowspring / チョーキューメイ
今年1月にリリースされた配信シングルで、TVアニメ『指先と恋々』EDテーマ。
TikTokで聴いた『貴方の恋人になりたい』をきっかけにして知ったチョーキューメイですが、そういったバズきっかけで出てきたバンドに多いその一発が強すぎて...というのをまったく感じさせられてないというのも、現行の邦ロック的なシーンのなかでは他に似たようなサウンドを鳴らすバンドが私が知る限りではいないから(印象という一点だけで言うならば、パスピエが近いかも)。ポップ極まりすぎてストレンジさを感じさせる瞬間もあるほどに溢れているアイデアを、しっかりと地に足着いたものとして支えるたしかなバンドのグルーブ...というこのバランスはあまりに強いなと思います。
そして、そんなこのバンドのポップの極致と感じるのがこの『snowspring』。J-POPとして鳴っていてもおかしくはないくらいにポップなのに、やっぱりバンドの質感をしっかり感じられるあたりあまりに非凡です。