音楽に関して、数聴いてりゃエラいってモンでもないだろうがヨ~という逆張り(何に対して?)もあって、自然とふれる機会があった曲とかアルバム以外は積極的には聴かないという人間だったのですが、ある程度自分からキャッチしにいく(好きになりにいく)ということをした方が楽しい瞬間というのも当然あるんじゃないか?と、今年入った頃に突然思ってからはいろんな音楽(言うても、日本のロックが中心ですが)をいっちょがみに聴いてみるようになりました。
そして、そうしたことをしはじめてから気づいたのが、やっぱりある程度は鳴らしている人、歌っている人のバックグラウンドなどがわかっていないとピンとこないぞってことの方が多いということ。そういうのを丸っとひっくり返して好きになれる出会いというのはなかなかないものですし、だからこそ、情報とか知識に対してもっと好奇心を持たなくてはなあと思う次第です(現状、思うだけではありますが)。
- 296. 初KO勝ち / 椎名林檎とのっち
- 297. 長く短い祭り / 椎名林檎と浮雲
- 298. DEAD SPACE / SIAM SHADE
- 299. せつなさよりも遠くへ / SIAM SHADE
- 300. 1960 / cakebox
296. 初KO勝ち / 椎名林檎とのっち
2019年ぶりのオリジナルアルバム『方生会(ほうじょうや)』収録曲。
前作『三毒史』は男性シンガーをフィーチャーした内容だったのですが、今作でフィーチャーされたのは女性シンガー。まさにジャンルを問わずという様相で、様々なシンガーが招かれたのですが、そのなかでもとくにサプライズであったのがこの『初KO勝ち』に参加したPerfumeののっちです。
強烈な加工が為されたPerfumeのボーカルスタイルからすると、素の声で歌唱するというのは全然想像ができないものだったのですが、そんな事前のイメージをあっさりと塗り替えてくるほどの感情豊かな歌声...! 現在のPerfumeが弛まぬ努力のはてに在るグループというのはよく耳にすることなのですが、改めてそれを実感させられることとなりました。
そして、この曲自体がまたね、めちゃめちゃカッコイイんですよ...。Dr.石若俊、Ba.ベーシストという凄腕ミュージシャンのコンビネーションが余すことなく堪能できるのが今アルバム(公式HPの紹介にもあるように、それ自体が今作のスタート地点のひとつであるということを、まさに感じられる刺激的な内容です)なのですが、そんな今作の収録曲のなかでもとくにシンプルなビートを持つこの曲でもそれは変わらず。むしろ、シンプルだからこそ、といえるかもしれません。その上で、メロディーの良さというのは言わずもがな。
297. 長く短い祭り / 椎名林檎と浮雲
2015年リリースの16thシングル。
『方生会』が聴けば聴くほどに深い味わいがある内容であったことで、そこで生まれた熱そのままに、いまだ聴いていなかった『三毒史』を再生。これがまた、い~~~アルバムだったのですが、なかでもとくに良いと思ったのがこの『長く短い祭り』です。その「良い」というのは、もちろん懐かしさがあいまってというのはありつつ(リリース当時めちゃめちゃ聴いてた)も、とはいえ、あらためて聴いてもこの曲そのものがやっぱりめちゃめちゃキャッチー。リリースから9年、いまだ色褪せていないなと感じました。
298. DEAD SPACE / SIAM SHADE
1998年リリースのメジャー4thアルバム『SIAM SHADE V』収録曲。
あまりに突然のSIAM SHADE熱。SIAM SHADEは、学生時代バカテクギタリストを追い求めた末、瞬間風速的にハマっていた(ちなみに同時期Janne Da Arcもめちゃめちゃ聴いてました)というのが記憶に強く残っていたりするのですが、そんな彼らの楽曲のなかでももっとも好きなもののうちのひとつがこちらです。
プログレッシブメタルの影響下にあるというのがダイレクトに感じられるような、練り上げられた間奏からは楽曲のスケール感というものを強烈に感じられるという様相ではありながらも、リスナーを置いてけぼりにしない塩梅でしっかり纏め切っているという。SIAM SHADEが持つ、こういったバランス感覚というのはかなり好きなところです。
299. せつなさよりも遠くへ / SIAM SHADE
2000年リリースの13thシングル。
サビのウラでピロピロピロピロ言ってるライトハンド奏法のギターフレーズから、あふれるスピード感をより引き立てるシンプルかつコンパクトなメロディー構成から、名は体を表すの極致みたいなタイトルから......もうなにからなにまでもうすべてがカッコイイという1曲なんですが、個人的にははじめて聴いたとき、このドラムに衝撃を受けまして、2011年頃叩いてみた動画をめちゃめちゃ観ていたのを覚えています。今にして思えば、ドラムをカッコイイと感じた原体験かも。あと、ライトハンド奏法というのを認識したのも地味にこの曲。
300. 1960 / cakebox
イラストレーターのゆのさん企画のコンピレーションアルバム『drawing』収録曲。
こちらのアルバム、ざっくり書くと、ゆのさん作のイラストを基にして各参加ミュージシャンが制作した楽曲というのが一挙にコンパイルされている...といった内容なのですが、事前情報なし(若干の匂わせるような投稿こそあったものの)という形でこちらにシノダさんが参加。cakebox名義ではじつに久しぶりの新曲です。
とはいえ、このCDはクラファンの返礼品であったために、どうもシノダさんが参加するっぽいぞ?という情報をまったく掴めていなかった私は手にすることができず...。も、もどかし~という気持ちこそありつつ、この度配信が開始されたことでようやく聴くことができるようになりました(本当にありがたいことです...)。
そんな今曲、キャッチーなメロとワードチョイス、そしてオルタナティブでしかないギターサウンドがフックとなっている、コンパクトかつアッパーなロックナンバーなのですが、なんかすでにめちゃめちゃ知っている曲で...。というのも、シノ鉄高知公演のアンコールでやっていたのを覚えていたから(歌詞がとくに印象的だった)ですね。あれから数か月、まさかこんなに早く聴ける機会がやってくるなんて思ってもいなかったので、嬉しい限りです。
メジャーで活動しているヒトリエと異なり、ソロの名義だと制約が少ないであろうということもあって、この『1960』はスゴく良い意味でリラックスして制作されているということが感じられたのですが、それによってcakeboxの新曲というのもこれから先また機会があるならばまた聴きたいなとも思ったり。