学生時分、お勉強をがんばってた時期なんかには応援歌に励まされることもありましたが、積極的な意味での「頑張る」をすっかりやめてしまった今では、イマイチそういったものが響かなくなりました。そういった曲を歌うことで、本気で他人の人生と向き合うというバンドの姿にグッとくることこそあれど、その内容自体にはとくに心動かされない感じです。
多分、「頑張る」ということがじぶんの現状においてリアルじゃないんだろうなと思います。これまで人生を好転させることができなかった経験ゆえに、これからもどうせずっとこのままだろうという諦めがあるというか。流され続ける人生はツラいですが、どうしようもない人間だという自覚もあるので、もうやれることを細々と続けるしかない...。消極的な意味での「頑張る」をやる日々...。
ついでに、応援歌と同時に、ラブソングもさっぱり響かないのですが、これに関しては別の意味で自分の現状においてリアルじゃないからですね...。10代の頃ならまだしも、いい歳こいてラブソングに共感とかそういうキャラじゃねー。
- 266. 次回予告 / キタニタツヤ
- 267. android and i / ART-SCHOOL
- 268. 23:25 / UNISON SQUARE GARDEN
- 269. シューゲイザースピーカー / UNISON SQUARE GARDEN
- 270. 黄昏インザスパイ / UNISON SQUARE GARDEN
266. 次回予告 / キタニタツヤ
TVアニメ『戦隊大失格』OPテーマ。
1月にリリースされたばかりの『ROUNDABOUT』(じつにキタニタツヤらしい内容でありながらも、ここまで大きな存在になった今だからこそというメッセージも込められている好盤)ぶりのリリースとなったこちらですが、もうあらゆる意味で強烈な1曲に仕上がっています。というのも、随所に挟まれるちょっと下世話な女性コーラス(なんといいますか、バニラの求人の歌のあのかんじ)が強烈なフックになっていて、耳に残りまくるからですね。アニソンらしくヒロイックな雰囲気のサビメロとの強烈なギャップは、めちゃめちゃ面白い...。あと、MVもめちゃくちゃ面白い...。
もうライブでも披露されているようなのですが、そう、そのライブと言えばね~~、やっぱりこないだ開催されたヒトリエとの対バンですよね~~...。キタニさんが対バンというのが発表されてから応募したもののなんか落選した(SNSで検索かけると重複でのお譲りでまくってたし、一般販売も発売当日の昼前後くらいまでは普通にあった)ため、「まあ今回は行くなってことだろうなあ...」と参加を見送ったのですが、やっぱ無理してでも行けばよかったな~...。スゲー良いライブになったんだろうというのは、演者のSNS観てるともう明らかでしかない...。ヒトリエもフランチェスカやってたし...(本ッッ当に、そろそろフランチェスカ聴きたい......し、そもそも『PHARMACY』が良い曲ばっかりだから、もっとセトリ入れて!)。
そういったことからも、最近はやっぱり対バンライブなんじゃねえか?とか思っている次第です。
267. android and i / ART-SCHOOL
2016年リリースの8thフルアルバム『Hello darkness, my dear friend』収録曲。
アート熱継続中。アートワークの美しさにやられてぼんやりと好きという感情を持っていたものの、あまりしっかりと聴けていなかったのでちゃんと聴いたのは今さらになって、なのですがやっぱりイイ...。アートワークのイメージ通りの霞がかった幻想的な音像と、バンドの強力な演奏、そして美しいメロディーが絶妙に交じり合っている、というざっくりそんな感想なのですが、この『android and i』はまさにそれを象徴するムードを持った楽曲。感情を爆発させるようなサビメロと、それに続く強烈なギターリフが最高にカッコイイという1曲です。
268. 23:25 / UNISON SQUARE GARDEN
2010年リリースの2ndフルアルバム『JET CO.』収録曲。
そういえば、先週『Catcher In Th Spy』のリバイバルで演奏された曲をまったく取り上げてなかったなと思い。そんななかで、収録曲でもなんでもないこの曲をはじめに取り上げるのはどうなんだと思いつつも、いや、でもメチャクチャ良かったから...もうめちゃくちゃ! 『instant EGOIST』の曲間でちょっとだけ冒頭リフ部分が演奏されるという仕掛けがあった上で、こっちもちゃんとやってくれるというホスピタリティ...。もうそんなんテンションしか上がらないが...。
そんな『23:25』。初めて聴いたのはリリースから幾ばくも経っていない頃だったと思うのですが、そのタイトルの意味、歌詞で歌われている内容...すべてがチンプンカンプンで、なんとなくフィーリングで聴いているというところもあったのですが、なんだか大人になるごとにわかってきたかんじがあります。良いことばっか起きるわけじゃないけど、それも捉え方次第、そしてその上で自分なりのやり方でしっかりと踏み出していくこと......。
この記事の冒頭に書いたように、私とは距離感のあるテーマではあるのですが、それでも、単純に「頑張れ!」といっているではないし、その歌詞表現の美しさというのもあって、良い歌詞だなあと素直に思います。
バンド自身が混迷の最中にあったときにリリースされた楽曲というのもあって、そういった意味での煌めきというのを感じるところもあったり。名曲でしかないです。
269. シューゲイザースピーカー / UNISON SQUARE GARDEN
2014年リリースの4thフルアルバム『Catcher In The Spy』収録曲。
なんだかんだ、今作ではこの曲が一番好きかも。「どんなヒットソングでも救えない命があること いい加減気づいてよ ねえ だから音楽は今日も息をするのだろう」というフレーズは、じぶんのなかで年々重みを増しているというかんじがあります。
270. 黄昏インザスパイ / UNISON SQUARE GARDEN
同上。
アルバムを締めくくるミディアムテンポのナンバーということで、目立たないポジションにあるというイメージの楽曲ではあったのですが、こないだのライブで1曲目に演奏されたこと、そしてナマで聴いたこと(実際は『プログラム15th』で聴いたこともあったものの)で、それが一変しましたね。
本記事中ではもう3度目になるのでちょっとしつこさもあるのですが、私にとって、人生と向き合っていくということをテーマに据えた楽曲っていうのは現実味がないところがあります。こちらも、押しつけがましくはない、という前提の上でもやはりそういったテーマの楽曲。
それでも、そんな自分でも、この曲をライブで聴いたときに感じるものがありました。それはなぜだったのかなと今になって考えているのですが、やっぱりこの曲を奏で歌うバンドの姿に気持ちが乗りまくっていたからなのだと思います。ライブを沢山見ていく中で昔とは楽しみ方のスタンスも変わってきて、あれ?と思う瞬間も多くなりながらも、それでもまだライブ会場に足を運んでしまうのはそういった演者の姿を目の当たりにしたときのドキドキがあるから。どんなに聴き飽きている曲でも、また全然刺さっていない曲でも、そのすべてひっくり返されてしまうたびに、ライブへ来てよかったなあと思います。そんな『黄昏インザスパイ』でした。