ここ1週間で印象に残った5曲 (2024年1月第3週版)

暖冬、暖冬とは言いますが、マジであったかいですね...。

 

 

196. 私が明日死ぬなら / キタニタツヤ

 

先日リリースされたばかりのアルバム『ROUNDABOUT』のリード曲。

今作は『青のすみか』でのブレイクからの紅白出演という流れから間髪入れずリリースされたこともあって、キタニ節を前面に押し出しながらも過去最大級に歌メロが冴え渡っているというバランス感覚を持った楽曲が多いのですが、そのなかでも一際耳を引くのがコチラ。

衝撃的なタイトルとはウラハラに、実際のところ歌われているのはリスナーの背中を押す言葉たちで、美しいピアノの旋律と絡むバンドサウンドはまさに「生」の躍動感を感じさせるようなものです。これはライブで聴きたいなぁ...。

 

 

197. 大人になっても / キタニタツヤ

 

『ROUNDABOUT』のラストを飾る楽曲。

ドロッとした演奏と歌メロ、そして退廃的な歌詞がダークな印象を与える楽曲なのですが、じつはこの曲でもっとも大切な部分はラストの「嫌な歌を聴かせちゃったけど不安にならないで なんとなくで幸せに生きてる 滑稽だろ、笑えよ」という一節だと思います。

 

 

198. bloom / ネクライトーキー

 

Netflixのアニメ『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』OPテーマ。

ネクライトーキーはずっと好きなバンドではありつつ、しばらくライブに行けていなかったために、ついつい新曲もあまり熱心に追えていなかったのですが、初期の超名盤『ONE!』(2019年リリース作では多分1、2を争うくらいに聴いてたくらいすき)をひさしぶりに改めて聴いたことで、ふつふつと熱が再燃。その流れで聴いた最新曲であるこちらを聴いて、やっぱりいいよな~と思った次第です。

アレンジやメロディー自体は割とシンプルな楽曲ですが、ライブ活動のなかで鍛えられてきたダイナミズムを感じさせる生々しい演奏が爽快です。

 

 

199. YELLOW / THE ORAL CIGARETTES

 

TVドラマ『マイホームヒーロー』主題歌。

オーラルもコロナ前はかなりすきなバンドだったのですが、随分ご無沙汰になってしまってました。『Enchant』以降は音源すらまともに聴けていないというアリサマだったので、もう今さらになって...。

『SUCK MY WORLD』以降、バンドとしてのステップアップを図るようなサウンドを鳴らしているという印象もあったので、近年のオーラルはいまも掴み切れていないという部分が実はあったりする(ライブを観れてたらまた違ったとは思います)のですが、この曲はちょっと懐かしい感じすらするようなシンプルさがあって、スッと入ってきましたね。良い曲です。

 

 

200. The hole / King Gnu

 

2019年リリース『Sympa』収録曲。

『THE GREATEST UNKNOWN』に伴うドームツアーが開幕しましたね。今回は都合がつかず参加が叶わなかったので、映像化を待つ民です...。アルバム自体は何度か通しで聴いたものの、まだ自分の中で噛み砕ききれていないところも割とある(主張が激しい既発曲が多数あるのを「オリジナルアルバム」としてしっかり纏めきっていることはあまりに偉大です)のですが、ライブを通してアルバムのストーリーを改めて体感すると、きっとすっかり腑に落ちるのでしょう。King Gnuは一貫してライブにこだわってきていますから、もうそれは間違いないことであると思います。

で、最新のKing Gnuについての話をしたところで、取り上げるのはちょっと古めのこの曲。上のほうで、ネクライトーキーの『ONE!』を改めて聴いて、ということを書きましたが、同時に『Sympa』も改めて聴いていました(この2枚は当時どこに行くにもとりあえず聴いていたというくらいに気に入っていたので、勝手に脳内でセットにしちゃっていますね...)。

元来の常田さんの作風から言うと大分邦ロックナイズドされたものの、それでもまだ大衆性からは大分遠かった『Tokyo Rendez-Vous』から、これだけ一気にポップサイドへと飛躍することができる(それもバンドの持つ卓越したグルーヴを保ったまま)という才能に驚いたのが『Sympa』でしたが、その中でもド直球真ん中のJ-POP的な感傷を携えた美しいバラード曲『The hole』はスゴかったですね...。未だに上から数えて5曲くらいには入っているというくらいに好きな曲です。

ライブでは2度聴いたことがあって。その中でも2019年の秋冬ツアー高松festhalle公演では、井口さんが喉の調子を損なっていたために気合で歌いきるような場面が多くあった(もちろん、歌えてないとか音を外しているということはまったくなかったです。声の枯れている感じが強いかなというくらいで)のですが、この『The hole』ではそれが最大限良い方向に作用していたために、まさに全霊を籠めるような歌唱になっていて本当に素晴らしかったという記憶がありますね。ご本人は不本意であったとは思うのですが...。