2023/09/23 B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS- @ヤンマースタジアム長居

B'zのデビュー35周年を祝すツアーに参加してきました!

 

 

福岡での事故の影響でライブ自体の開催が危ぶまれるという事態はあったのですが、予定通り開催できることに。ケガをした方々のことはやはり気にかかるというところはたしかにあるのですが、とはいえこうして運営サイドがライブを決行するという決断をくだした以上、ここはしっかり楽しんでいこうという気持ちです。

今ツアーに参加するのは愛媛に続き、2度目。このヤンマースタジアムでのセットリストはアリーナシリーズから多少変更されるとのことでそういう点においても非常に楽しみです。そして、なによりここ大阪でのヤンマースタジアム長居はツアー最終箇所であるのと同時に、なんとVo.稲葉浩志の59回目のバースデイ。非常にスペシャルな思いもありつつの参加となりました。

前日、ろくに眠れなかった上に道中のバスでも眠れなかったので、満身創痍で大阪に到着。食事を済ませて、いざヤンマースタジアムへ。King Gnuのスタジアムライブぶりにきましたが、やはりスゴい規模。人が多いのもありますし、会場も圧倒的にデカいですね。こうした会場を何日もソールドアウトにしてしまうという事実は、35年の道程の中でトップランナーであり続けるバンドの凄まじさを感じます。

入場して座席へ向かうと、スタンド席Eブロックということで、ステージ向かって真正面という位置。正直、モニターもしっかりとは見えないくらいにかなり遠いですが、ここに関しては仕方ないですね...。とはいえ、客席全体の盛り上がり、また演出をしっかりと俯瞰できるという意味では、じっくり楽しむのにはかなり良いのかな、という思いも。うしろのうしろまで盛り上がるようなB'zのライブで、じっくり楽しむなんてことはないだろうとも思いましたし、実際にそうなったのですが……。

 

開演時間頃に、注意事項についてのアナウンスが放送されたあとで、いよいよライブが開始。まず、OPムービーが流れ始めたのですが、その内容というのが過去のアルバム・シングル・ツアーなどのモチーフをあしらったものに、過去の楽曲の音源をリミックス的に使用した音源を載せているというもの。アリーナでこの映像があったのかはわからない(見切れ席だったから)のでこの日が初見だったのですが、それはまさに35年の歴史の濃密さを感じられる内容でした。そうして、『Pleasure 2023 ~人生の快楽』(何年の音源なのかは実際のところわからないのですが敢えてこの表記)のギターリフが流れるなか、5年前のツアーの火の鳥が現れ、ライブがいよいよ開幕。

印象的な、あのピアノリフが流れ始め、1曲目が代表曲のひとつ『LOVE PHANTOM』であるということがわかります。映像で流れた火の鳥からの連想もあり、かなりの納得感。アリーナでは新曲『Dark Rainbow』だったのですが、正直こちらのほうがPleasureっぽくてテンションが上がったということは否定できない、というところは実際にあったり。そして、この時点で驚いたのがスタジアムなのに加えて、だいぶステージから遠いのに、音が悪いとあまり感じなかったこと。こういった大会場でのライブはボーカルですらほぼ聴きとれない、ということが過去に何度もあったので、ここには長年のノウハウで鍛え上げられたスタッフがたくさんいるんだろうなというところまで感じられました。『LOVE PHANTOM』が終わり、あまり間を置かず次に披露される楽曲のサウンドを示唆するような重めのエイトビートが鳴らされたあとで、鳴り響いたギターリフはなんと『FIREBALL』!この日一番嬉しかったのはこの曲かも。まさにこの曲名を冠した97年のPleasureツアーを想起させます。大好きな『FIREBALL』を遂に聴くことができたという事実に加えて驚いたのが、原曲のメロディーのままで歌いきっていたこと!正直、後半の張り上げる部分は喉を労るという意味でも下げて歌うのではないかなと思っていたので、稲葉さんのボーカリストとしての意地を見ました。

お決まりの文言が出てこないという内容の「B'zのLIVE-GYMにようこそ!」に続く、3曲目は『RUN』!アリーナ同様の流れではあるのですが、前半で演奏されることでまた違った聞こえ方をするなということを実感。終盤だと「これからも走り続けていくという宣言」という感じで、前半だと「走り続けてきたB'zの姿の表明」という感じというか(ニュアンスが含まれすぎてて、これって伝わるのだろうか...)。突然の『RUN』にとなりの席のオジサンは、稲葉似の歌声で大熱唱!苦笑いしてしまいながらも、わかるよな~と思うところも。序盤から既にクライマックス感を巻き起こしたあとは、スタジアムに対応するスケール感を持ちながらも弾けるようなポップさが魅力的な『星降る夜に騒ごう』へ。まだ日も暮れていなかったこともあり星は見えない時間帯ではあったので、もう少し遅い時間だったらより最高だったなとは思ったりもしたのでしたが...。そういえば、今曲は先日初めてフル公開されて話題を呼んだ93年に行われた渚園でのPleasureでの光景を思い出させる楽曲(当然ながらナマで観たわけではないのですが...)ということもあって、ここまでの流れも加味していると、今回のツアーはPleasureの総ざらい的な部分もあるのかなと思ったり。開演前に過去のPleasureでのライブ映像(入場した時間あたりに『TIME』と『OH! GIRL』が流れていた)も放映されていたこともあって、余計にそう思うところもありました。そうして、とびきりハッピーな空気を巻き起こしたながれで、披露されたのはバンドのポップサイドの極致であるようなサウンドが炸裂する『恋心(KOI-GOKORO)』。何万人もの観客が一斉に振り付けを踊る姿には、ハードロックを音楽性の中心に据えているバンドながらも、ストイックにそうしたサウンドを追求するだけではなく、エンターテインメント性もしっかり大切にする一面があるからこそ、長年支持されてきたんだよなと改めて実感。そして今ツアー恒例の「何かな?」で演奏が一時停止するくだりでは、サポートメンバーからの稲葉さんへの誕生おめでとうのメッセージ。本当におめでとうございます。

この後も、1番がバラードバージョンで披露されたことでよりメロディーの良さが引き立てられた『イチブトゼンブ』、ベーシストの清さんとドラムスの青山さんとのハードなセッションを経てはじまった最高にダンサブルな楽曲『NATIVE DANCE』、とびきりに切ない大名曲『もう一度キスしたかった』と、行き着く間もないほどに名曲を連打。この時間帯あたりですっかり日も暮れてきて、秋風を感じられる時間となり、楽曲それぞれにこのロケーションならではの空気感も付与されているなと感じたり。とくにこの日の日替わり曲だった『もう一度キスしたかった』に関しては、ことさらにムードが出ていると思いました。野外でのライブだからこその良さですね。

盛り上がりはまだまだやまず、続くのは、アリーナ公演でも個人的なハイライトのひとつとなった、マイクを通さないコールアンドレスポンスからはじまる『Calling』。コールアンドレスポンスのとき、喉を抑えながらちょっとキツそうな表情を見せてもいましたが、とはいえスタンド後方までしっかり通っていた歌声は、歳を経たゆえに、よりボーカリストとしての非凡さが浮き彫りになります。なにより、パフォーマンス自体が素晴らしかった。ちょっと涙が滲むほどに感動してしまうほどに...。サビの歌詞が、ファン・メンバーへの思いや関係性をまさに歌っているように感じられたんですよね。昔は単にラブソングとして捉えていた楽曲だったのですが、ライブで聴くことでその真価を感じられたように思います。しかし、なぜか1番のAメロで盛大に歌詞をトチってしまう場面があり、その盛大さにはちょっと笑ってしまったり...。

ここまで目立った休憩地点も殆どなく来たのですが、手拍子にはじまる『太陽のKomachi Angel』、ポップながらもハードなギターリフが映える『LADY NAVIGATION』(モニターには稲葉さんとTAKのイラストが登場)と、まだいくのか!と思うほど。結果的にここで前半戦のピークを迎え、ひと休憩をおくことになった(暗転したあと、35周年のロゴがモニターに映し出されたあと、歴代の楽曲たちがPVとともに流れていた)のですが、振り返ると、『星降る夜に騒ごう』以降は結果的にかなりポップな流れ。アリーナでも思った事ですし、この文章の途中でも書いたのですが、B'zはこういう一面があるからこそ、でもあるよなと改めて思いました(と同時に、贅沢ながらも、そろそろガツン!とくる曲も聴きたいなとも)。

幕間も終わり、ステージがすこし明るくなると、上手側にセッティングされたバーカウンターに座っているB'zの2人の姿が。アリーナでは無かったので、これがスタジアム公演ならではのコーナーであることがわかります。マイクを稲葉さんに用意してもらったTAKが、自身プロデュースのウイスキーを紹介しながら「もう完売してるんですけどね」「飲みにおいでよ」(稲葉さんが「軽率なことを...」をツッコんでいてかなりウケました)と話したりするくだりを経て、乾杯(稲葉さんは「大阪の水」)。35年の歩みのイチブとして、B'z Partyの最初期の会報や、『The 7th Blues』のカセット(!)などを紹介していました。そこでTAKが「カセット、また流行ってるんでしょ?」と観客に問いかけたところ、そんなに良い反応ではなかったのですが、たしかに実際のところどうなんだろう...とおもったり。国内のミュージシャンだと、w.o.d.がカセットテープを敢えてフィーチャーしていたというイメージくらいはあるのですが...。そういった流れを経て、「ひさしぶりにやる曲を」という前置きとともに披露されたのが、オリジナルアルバムとしてはB'z最大のヒットとなった『LOOSE』収録の『BIG』!だいすきなアルバムなので、これは嬉しいサプライズでした。「チクショウ」のフレーズをTAKが歌う場面も楽しくて良い。『FIREBALL』でも同じことを思ったのですが、TAKの歌声ってワイルドな響きがあってじつはかなり好きなんですね。歌詞変え(2番がとくに大幅に変わっていた)を交えながら、「絶対にBIG」というコールアンドレスポンスをくりかえして終了。

ここからが後半戦のスタートなのですが、まずはセッションの中でメンバー紹介。アリーナ公演ではサポートメンバーひとりひとりのトークコーナーがあったのですが、そこはカット。かわりに、演奏でしっかり個性を魅せていきます。改めて、現在のサポートメンバーの空気感、かなり好きだなと思ったり。そうして、そんなソロ回しのラストはやっぱりTAK。35周年の感謝と「これからも出来る限り作品を作ってツアーを周りたい」というファンにとっては嬉しすぎる言葉を口にしたあとに、豪快なパワーコードを掻き鳴らし、なんだか(めっちゃ『JAP THE RIPPER』来そうな流れじゃない?)と、まったくそれを想起させる流れも何も無いし今更やるわけもないのにそう思っていると、はじまったのはなんとマジで『JAP THE RIPPER』! まさか!と本当に驚きました。ガツン!とくる曲が聴きたいと思っていたのですが、まさにこれ。サビ後半のNa na na...のシンガロングが楽しすぎるし、なによりギターフレーズがカッコよすぎる。ほぼ眠れていないこともあり、このあたりでかなり疲れが来てしまいヘロヘロだったのですが、それでも、スタジアムを掌握するスケール感を持った、この楽曲のロックサウンドは最高という他ないほどでシビれまくりました。近年はめっきりやっていなかったの、本当に勿体なさすぎる...。ここで一気にロックなモードのスイッチが入った印象があります。「パンデミックで今まで通りのライブはできない期間が続いた」「この状況が終わったらまた一緒に歌いたいと思って作った曲をやります」という趣旨のMCを経てはじまったのが、『YES YES YES』。遂に真価を発揮される時がやってきました。襟元を正したくなるほどに「あり方」を問われていると感じるような歌詞なのですが、それはともかくとして、観客参加型の「そうだ!そうだ!そうだ!」「yes yes yes そうでしょ」というフレーズは非常に楽しいもの。そして、極めつけにはなんと稲葉さんが場内を走りながら1周! 59歳とはとても思えないような姿なのですが、この時どうも足を痛めた様子があったという情報も。そんな中でも無事曲が終わるまでにステージへ帰還。その流れでTAKにバックハグをする姿はちょっとキュンときました。ここで暗転し、少しの間をおいて鳴り響いたのは『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』の荘厳なイントロ。最大のヒット曲ということもあり、自分のまわりではざわつく様子もあったり。とにかくCメロの合唱が最高でしたね...。

ここからは遂に本編最終盤。MCでもしっかり盛り上げたあとで始まるのが、現在のB'zの代表曲といっても過言では無い『ultra soul』。実は、ここまではじぶんの席の周りは熱狂的に盛り上がっているという感じではなかった(勿論、手拍子もあったし腕も上がっていましたし、何より、熱狂的に盛り上がっていないといけないなんてルールは一切ないですので、悪い意味で書いた訳では無いということを記しておきます...)のですが、この曲はさすがに格別の盛り上がり。2番終わりに『BAD COMMUNICATION』に突入するという、『HINOTORI』での『LOVE PHANTOM』を彷彿とさせる演出はやはり熱いです(でもやっぱりバッコミはフルで聴きたい!)。そして、そんな極まった熱狂をさらに高めるのは、イントロからしてワクワクが止まらない『IT'S SHOWTIME!!』。まさにその名を冠した2003年のPleasureが思い浮かぶようなライブアンセムで、この曲に関してはライブで聴けば聴くほどに好きになっていると思います。ラスサビ冒頭のスネアを連打するアレンジも最高。そうして、いよいよこのセクションもピーク。ということで、この重要な位置に配置され披露されたのが、今年リアレンジされてよりグルーヴィーに生まれ変わった『君の中で踊りたい』。2023年のB'zの解釈で鳴らされるこの曲はひたすらにカッコイイですし、なによりあの『君の中で踊りたい』がこんなに盛り上がる楽曲になるとは、数年前は想像もしなかったことです。

いよいよ本編もラストということで、感謝を告げてから披露されたのは、近年のB'zを象徴する楽曲である『兵、走る』。まさにB'zのテーマと言ってもいい、「RUN(走る)」という言葉を曲名に冠しているのですが、これからPleasureでも常連になっていくであろう(地味にPleasureでは初披露)と確信に近い思いを抱くほどにこの曲の大団円感と、あらたなテーマソング感は凄まじいです。最後の最後まで、パワフルな歌唱と演奏で突っ走りました。本当にスゴかった。とはいえ、まだアンコールがあるので待機。画面を見ていると、アンコール1曲目でスマホライトを使った演出がある模様。アリーナと同じなら、きっとあの曲だろうなと思っていると、メンバーが再び壇上へ。

35周年の感謝と『STARS』というツアータイトルの由来(観客ひとりひとりが星のようにキラキラして見えたから)という話を前置きに、新曲『STARS』へ。まさに、アンセム的な楽曲ということで、大きい会場ほどにしっくり来ると思ったり。そして、中盤頃に促されてスマホライトをつけたのですが、これがとても美しい光景でした。ヤンマースタジアム長居で観たKing Gnuのライブでもそういった演出はあったのですが、その時は全貌を捉えられなかったので、スタンド後方だったからこそ、この美しさを目の当たりにできたな、なんて思いました。

再び大団円といった空気を作り出しながらも、まだやっていない曲があります。ということで、ラストは勿論『Pleasure 2023 ~人生の快楽~』。「アイツ」が5年を経てどうなったのか、あまりしっかりと聴き取れなかったのが残念(愛媛でも聴き取れなかった)ではありつつも、曲自体が大好きなのでもうそこは、調べたらいいか!というところ。

 

アマリニモ良いライブだったので、初めてライブ全体の流れまで込みで感想を書いてみました。もう、今年イチだと既に断言しても良いほどの素晴らしいライブ。セットリストもアリーナから大きく流れが変わったわけではないながらも、こちらの方がずっと好みです。

いろんな情報が入ってきたり、映像として残ったりしている中で、B'zのこれからを慮ってしまうというところも実際最近はかなりあったのですが、正直、これだけパワフルな姿を見せられたら、勿論有限ではあると思いながらもまだまだいけてしまうんじゃないだろうか、40周年でもPleasureを観られるんじゃないだろうか、とも思いました。

そして、稲葉さんが、『STARS』前のMCで「我々に勇気を与えてくれる皆さんこそが、ヒーロー」という趣旨のことを話していたのですが、そもそもB'zがこうして最高であり続けているからこそ、沢山の人たちがライブの現場に足を運ぶことができているんだと思っています。とりわけ私にとって、「STARS」とはB'zのふたりだと、まさにそう感じるようなライブでした。

 

 

セットリスト
SE. Mars (Instrumental)
01. LOVE PHANTOM
02. FIREBALL
-MC- 「B'zのLIVE-GYMにようこそ!」
03. RUN
04. 星降る夜に騒ごう
05. 恋心 (KOI-GOKORO)
-MC-
06. イチブトゼンブ
-Bass Solo-
07. NATIVE DANCE
08. もう一度キスしたかった
09. Calling
-手拍子-
10. 太陽のKomachi Angel
11. LADY NAVIGATION
-幕間~MC-
12. BIG
-Session(メンバー紹介)~MC-
13. JAP THE RIPPER
-MC-
14. YES YES YES
15. 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
-MC-
16. ultra soul ~ BAD COMMUNICATION ~ ultra soul
17. IT'S SHOWTIME!!
18. 君の中で踊りたい
-MC-
19. 兵、走る
-MC-
en01. STARS
en02. Pleasure 2023 ~人生の快楽~

 

 

 

前に観た時の感想

 

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