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⚠ネタバレ有

2023/10/28 KOTOKO 20th Anniversary Tour 47 SKY -Flash- @松山サロンキティ

今年2度目のKOTOKOさんのライブに参加してきました。

 

 

来年でメジャーデビューから20周年という節目に到達するということで、それに向けた47都道府県ツアーの真っただ中のKOTOKOさん。

6月に観た「Twinkle」をテーマにしたツアーの高知公演が良かったので、絶対行きたいと思っていたのですが、実際こうしてそれほど間を空けずにまたライブを観られるというのは非常に嬉しいところですね。会場はサロンキティで、今までなかなか来る機会が作れなかったライブハウスということもあり、そこに関しては、ついに!という感じも。フロアに高低差があり、後方でもステージがよく見えるのがありがたいです。

今回のテーマは「Flash」ということで、「大人っぽい」「カッコイイ」という観点から選ばれたセットリストになるということは事前に発表されていたところなのですが、リクエストの曲目を参考に見ていても正直この中からいざどれが演奏されるのか、想像もつかないところも...。それは前回観たライブで代表曲らしきところがあまり披露されず割と幅広い選曲が為されていたからというところが影響していますが、ただそれゆえに今回も割とコアな選曲になるのではないだろうか、というところだけは予想できる感じも。

KOTOKOさんの音楽はずっと聴いてきたもの、未だ持ち曲は把握しきれていないというにわかっぷりですが、とはいえ、そういったところを踏まえた上でも良い曲ばかりだと思ったし何より楽しかった前回のライブの経験からして、どういったセットリストだったとしても、もし仮に8割知らない曲でも、楽しめるんではないだろうかという確信めいた気持ちもあります。開演20分ほど前に入場して待っていると、いよいよライブがスタート。

 

この日のライブの幕開けを告げる曲は、なんと『Suppuration -core-』!ちょっと声が出てしまうくらいに、ドキッとしてしまいました。それこそ、初めて聴いてから長い長い時間が経っているということもあって、思い入れもひとしお。もう、この時点でいきなり心を掴まれたというくらいに嬉しい選曲でした。リフレインされダークなコーラスパートがとにかくクール。無機質ささえ感じさせるKOTOKOさんの振付も世界観にピッタリです。

演奏が終わるとそんなダークな空気感を一気に和ませるような、はじめのMCタイムですが、来るたびに様子を見ているサロキ横の川が干上がっていて驚いたという話をしている時、声にすこしの違和感。それこそ鼻声っぽい感じだったのですが、この後明かされたところによりますと、このツアー初日の沖縄公演で喉を傷めてしまって本調子ではないとのこと。ただの風邪で、ポリープとかではなかったとのことですが、この状態でここまで中止や延期なしでたどり着いた(先週末も2本のワンマンを行っています)まさにプロという意地と根性には、もう恐れ入ってしまうというほど。

そして、改めて今ツアーのコンセプトについて説明した上で、はじまった次のセクションはKOTOKOさんのレパートリーにおけるダークサイドが色濃く表れたもので、ひたすらにカッコイイと感じるもの。とくに、生演奏で披露されることで原曲をはるかに凌駕するダンサブルさを獲得した『BUCCANEER』、喉の不調を感じさせないほどのパワフルなボーカルワークで圧倒するような『Lament』が殊更素晴らしかった...。とくに後者は、これで不調なら、本調子だったらどれほどスゴいの?と思ってしまうほどです。

続いて久しぶりにランニングをしてきた中で見かけたものや風景(瀬戸内海への愛が溢れていました)について明かされたご当地MCを経て、次は大人っぽくて切ない曲をという前置きをして始まったのが『ため息クローバー』(もうとにかくBメロが好きです...)。恋愛の悲哀について綴られたこの曲がきっかけでダークなムードを漂わせていた序盤の空気が一変、一気に会場内が切なさに満ちたところで披露されたのが、実質的なKOTOKOとしてのデビュー曲『Close to me...』。20年目という節目のツアーで演奏されるのは実にドラマティックですが、そこに関してはとくに何も言ってなかったものの、言葉以上に伝わるものがある、そういう曲と歌唱であったとそう思います。また、曲中にまわっていたミラーボールもそれになんともマッチしているなと感じられて良かったです。そんなまさに、聴き入る、という空気を切り裂くように歌われたのが『Restoration ~沈黙の空~』、そして、『Sociometry』。この2曲が持つ、静かな熱さ(KOTOKOさん本人もこういうことを言っていた気がするけど、ここを指してだったのかはちょっと記憶があいまい...)のようなものは、この流れだとより強く感じられるものです。そんなグッとくる流れなだけに、場内の盛り上がりの1度目のピークはこのあたりだったように思います。それこそ、この後のMCでKOTOKOさんも、切ない曲といって始めたもののスゴい盛り上がりだったと言っていたほどに。

ひとしきり盛り上がり終えたあとは、ここでいよいよ日替わり曲のコーナー。「もう手前の日程で好きなのやっちゃったよ~という人もいると思うけど、とっておき持ってきてるから」というような言葉はもう期待値が上がりまくるものですが、とはいえ、私はあくまでにわかなので、ここで好きな曲がたまたま演奏されるなんてことはまさかあるはずがないよな~と思っている中で聴こえてきたのは、大好きでもう10年以上聴き続けている『resolution of soul』の、あのイントロ!!!これにはもうなかば無意識でガッツポーズ。左右にあるお立ち台を使いながら歌うKOTOKOさんに「ここでやってくれてありがとう...」という念を送っておきました。改めてナマで聴くと、良すぎて卒倒するかと思うほど。来てよかった...。

そんな大興奮の『resolution of soul』も終わり(ライブで披露される大好きな曲って終わりが近づいてくると寂しくなるのは私だけでしょうか)、「2000年代初頭の古い曲だけど、後ろのほうの人たち知ってた?」「知らなかった人は『The Bible』というアルバムに収録されているので...」というちょっとした宣伝を挟んで、続く楽曲は、長かった残暑も終わってすこし夏が懐かしくなってきたタイミングに披露されるのがピッタリ(それこそ曲前にはそういったシチュエーションを歌った曲という前置きも)の『wind of memory ~記憶の風~』。アルバム『The Bible』に収録されたバージョンでの披露となりました。こちらも長いこと聴き続けている曲で、前曲に続くこの2曲の流れは個人的にはこの日のセトリのなかでももっとも強い想いが生まれる瞬間でしたね...。素晴らしかったです。

もうこの時点ですでにチケット分の元は取ったぐらいの満足感があるのですが、まだまだライブは続きます。ここで一度MCを挟んだのですが、その内容というのが、先週届いたあのニュースも踏まえた上での、なるだけ長くファンのみんなとこうやって集まりたいし、お互いに楽しいということを続けていこうというもの。それを話しているときの声のトーンからはKOTOKOさんの歌手としての強い決意が感じられて、じぶんの中の「KOTOKO像」がよりリアルになりましたし、こうしてライブに来たからこそだったな、来てよかったなと思いました。そして、ここからのセクションではじつにライブハウスに似合うようなエイトビートのナンバーを3曲披露。コンセプト的にも、必然的にスケールが大きい曲が多くなったライブだけに、これらの曲は先ほどのMCも併せることで、等身大の想いが強く感じられるというようにも思いました。

この後のファンの「楽しい」を肯定するやりとり(この一言一句は失念してしまったのですが、その言葉のトーンがスゴくグッときた)とともに、サロキでの想い出(初めて来た年にすっぴんの状態で川を見てたらファンの方に遭遇、その後握手会であの時のファンですという話をした)やセットリストの試行錯誤についても明かされたのち、いよいよライブはラストスパートへ。その局面にぴったりの盛り上がりは不可避というくらいにアッパーな楽曲が多数披露されるなか、その流れにおいては唯一ミドルテンポのナンバーであった『I pray to stop my cry』がとにかく良かったです。メジャーデビューから20年という長い年月で弛まぬ努力を重ねてきたからこそ、というようなサビ終わりのロングトーンはもう圧巻という他なし...。それこそ、不調と言っていたことを最早まったく感じさせないくらいです。この日のハイライトのひとつとして記憶に灼きつきました。

しかし、濃密だったライブも遂に本編ラストの曲ということで、「カップリングだし、EDだけど、今ではこんなに知名度がある曲になった」という前置きをして始まったのが、大名曲『agony』。このツアーだけの特別バージョンということで、1番がギターのストロークだけというシンプルなアレンジで披露されましたが、これが鳥肌が立つくらいの引き込まれる名演でした。シンプルだからこそ、歌に籠められた感情がダイレクトに伝わってきます。1サビが終わった後は、アルペジオを交えたコードストロークでイントロを一巡し、少し間をおいて原曲のイントロへ。この瞬間もまた素晴らしかった...。超ハイカロリーだった本編を締めくくるのには、もうこれ以外はないというほどでした。改めて、素晴らしかったです。

とはいえ、アンコールがまだ残っています。しかし、なかなか出てこないKOTOKOさんとバンドメンバー。少し待っているうちに現れたKOTOKOさんの口から明かされたその理由は「まつげが全部とれたから」。途中のMCで、サロキでのライブではいろんなことが起こるという話の流れでまさにまつげを例に出していたのですが、まさか本当に取れていたとは...。それだけ熱いライブだったということですね。そして、まさにそんな熱さに押されるように、曰く「あと15%かな」というくらいのコンディションだったのが「今絶好調!」。すっかり喉も復活したということで披露された、本日のライブの本当のラストを飾るのは『We Suvive』と『REFOCUS』。最後の最後までパワフルなセットリストでした。

アンコール後のMCでは、本編でも話していた、いつまで続けられるかというのは寿命がわかるわけでもないからわからないけどという前置きとともにこれからも続けていくという改めての決意表明。それを聞いていると、こうして足繁く近くにライブしにきてくれている(それこそたびたびこの会場には来ているよう)ということも知って、そして実際にライブの良さも目の当たりにしてとなると、この20周年のツアーだけいくつか参加してそれで満足なんてことにはまったくならなくて、これからも度々観られたら、と強く思います。そして、そのためには、月並みですがKOTOKOさんに元気で末永く活動してほしい、というところに尽きるというところです。

次はおそらく、今ツアー最終ブロックでの開催となるであろう高松公演に参加することになる(よほど予定が合わないなんてことがない限り)と思いますが、ここまで2か所参加してきた中でセットリストが割と代表曲的なところを意図的に避けているという印象を受けますので、そういったところも含めた上でもう非常に楽しみですね...。

 

 

セットリスト
01. Suppuration -core-
-MC-
02. snIpe
03. BUCCANEER
04. Lament
05. 回転木馬
06. Abyss
-MC
07. ため息クローバー
08. Close to me...
09. Restoration ~沈黙の空~
10. Sociometry
-MC-
11. resolution of soul
-MC-
12. wind of memory ~記憶の風~
-MC-
13. 黙れよ、ピーター
14. affection
15. beat
-MC-
16. Reboot oN/↓0
17. 月下流
18. I pray to stop my cry
19. 原罪のレクイエム
-MC-
20. agony
en01. We Survive
en02. REFOCUS

 

 

 

前に観た時の感想

 

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