ここ1週間で印象に残った5曲 (2023年11月第3週版)

TSUTAYA DISCASの定額レンタルサービスに加入してみました。サブスクにないような音源を求めてあれ借りようかな、これ借りようかなと色々思いめぐらせているのですが、実際のところはむしろなんかあったっけ...と悩んでしまうくらいで、世のポピュラーミュージックの概ねはもうサブスクで聴けてしまっているんだなぁと思ったり。ホント、音楽好きにとっては良い時代になりましたね。

 

 

 

156. RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY / ヒトリエ

 

2018年にリリースされた4thシングルのカップリング曲。

シンセや打ち込みを取り入れた結果ヒトリエとしては革新的なサウンドメイクが為された楽曲が収録された前作『ai/SOlate』から、さらに一歩歩を進めた意欲作だという印象があります。それは、メロの構成がヴァースとコーラスを繰り返すという洋楽的なものになっている点や間奏のギターノイズによるインプロビゼーション的演奏という要素が盛り込まれながらも、基本的にはバンドサウンドよりも打ち込みの質感が強く感じられるというところからです。また、そんな打ち込みだからこそというような色濃いコントラストを携えたアレンジにはwowaka、ひいてはヒトリエがあらたなフェーズに至ったことが感じられるというところも。

そして、選んだ道の困難さを知りながらも自らの手で泳いでいくという心情をささくれだった筆致で描いた歌詞は、いつになく絶望感が前面に表出した仕上がり。それだからこそ、生々しくて美しいと思います。

ポラリス』に収録されている3曲はどれも重要な意味を持った曲だと思っていますが、この曲に関してはヒトリエの歴史でも唯一無二のポジションですね...。もしも、2019年の4月以降も、何事もなく4人でバンドが続けられていたとしたなら、ここぞというときの必殺の1曲として演奏されるようなものになっていたのではないだろうかと思っています。

 

 

157. MIRROR / ヒトリエ

 

メジャー2ndフルアルバム『DEEPER』のラストを飾る楽曲。

エモーショナルな楽曲が殆どのヒトリエには珍しく無機質さや冷たさといった要素を強く感じられるものの、2番後のwowaka以外のメンバーが手掛けたパートが強烈なフックになっており、独特な存在感を放つ1曲に仕上がっています。

2023年11月現在、『DEEPER』の(シングル曲・既発曲を除いた)収録曲だと一番好きかもしれないというくらい気に入ってる楽曲なのですが、ヒトリエをしっかり聴きはじめてからもう6年ほどが経つこともあってか、最近はこういった意欲作と言えるような曲ほど、改めて聴き返してからドップリとハマる傾向があります。

 

 

158. コヨーテエンゴースト / ヒトリエ

 

結果的に、wowakaの遺作となった『HOWLS』のリード曲。

今週は4人体制時代のヒトリエを久しぶりにずっと聴いていたのですが、『RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY』、『MIRROR』と並んで、よく聴いていたのがこちら。ヒトリエ王道の高速ロックチューンではあるのですが、サビにおいてエイトビートが取り入れられている(サビ以外では部分的に用いられている)のが新機軸。当時のロックシーン(とくに、所謂「邦ロック」と呼称されるもの)では、高速のキック四つ打ちがまだまだ主流な時代だったので、そういったビート感自体への1周回った新鮮さ、またそれを第一人者とも言えるヒトリエが取り入れてリード曲として発表したことへのオドロキなんかを、強く感じた記憶があります。

メンバー(とくにギタリスト2人)はこの曲を過去イチ難しい曲だと評していたのですが、そのとおり本当に凄まじいです...。wowakaパートの狂ったような速さのカッティング(しかも歌いながら)と、シノダパートの複雑すぎるフレージングは、いくところまでいったな...という感想に尽きます。2019年に2度ナマで聴くことができたのですが、そのどちらでもリーダーとシノダさんが演奏にめちゃめちゃ集中しているという表情をしているのが新鮮でした。

上記のように、ギター1本では成立しようがないアレンジをしているため、目下封印中ですが、こればっかりは仕方ないです...。

 

 

159. BORDER / WurtS

 

週刊少年ジャンプで連載中の人気作『SAKAMOTO DAYS』とWurtSのコラボ作。

WurtSは熱心に追ってはいないながらも、今まで何度もハマる曲があって気になっている存在ではあります。年末に参加する予定のレディクレにも出演するようなのですが、タイテが許せばぜひ観てみたいですね...。

 

 

160. Keep Going / 04 Limited Sazabys

 

昨年リリースされたフルアルバムのリード曲で、TVアニメ『弱虫ペダル』のOPテーマ。

フォーリミは『monolith』のリリース時から聴き続けているバンドですが、その頃から未だに音楽性を変えないままで最前線に居続けていることが、どれほど難しく、非凡なことか...。本当にカッコイイと思っています。15周年を迎えましたが、末永く続いてほしいバンドのうちのひとつです。