2024/03/03 KOTOKO 20th Anniversary Tour 47 SKY -to Glory- @高松オリーブホール

KOTOKOさんの20周年ツアーに参加してきました。

 

 

今ツアーは、テーマに合わせてセットリストを変えながら2023年から47都道府県を周ってきている物の第3ブロックにあたるもので、「to glory」(栄光へ)と題されています。「Twinkle」、「Flash」は楽曲の投票含めて、どういったセトリの組み方をするのか明示されていたのですが、今回は無し。ただ、敢えて演奏していないんだろうなと思うほどに、代表曲がこれまでのセトリから省かれてきているので、そのあたりが一挙に聴ける機会になるのではないだろうか、とも思います。楽しみ。

そういうわけで、本日の会場はオリーブホール。2019年のサヌキロックでネクライトーキーやKOTORI、Wiennersなんかを観るために入ったことはありますが、こうして普通にチケットを買ってくるのは初めて。3階へと上がり、ドリンク代を払った上で場内へ入ると、フロアが開放的かつステージが高いということで、なかなか見やすそうという印象です。それこそ2019年に入ったとは書きましたが昔すぎてまったく覚えていないということを実感します。ビールを飲みながら開演を待っているうちに暗転。サポートメンバーとKOTOKOさんが壇上に登場します。

※この後、MCの書きおこしがあります。内容自体は恐らく大丈夫だと思うのですが、言い回しとか言ったタイミングが違うということは大いにあり得ますので、この点を留意いただけますとこれ幸い...。また、濃密すぎる内容ゆえにいつにも増して記憶があやふやです...。

 

SEが鳴り終えたのと同時に始まったのは、『灼眼のシャナ』OPテーマ、かつ、KOTOKOさんの代表曲のひとつ『being』です。名曲というほかないくらいの名曲なのですが、個人的には中学生の時に聴き始めていまもずっと聴き続けているということで、もはや人生を共にしてきたという感覚すらもあります。自分としては2番の歌詞がむちゃくちゃ好きだというのはありつつも、とはいえこのライブの場においては「高鳴る鼓動 触れ合う現世選んで きっと運命の理に生きる いつか消え行く炎 願いに変え 夢を 来世を 君へ...」という歌詞に、歌手として長い時間を弛まず歩いてきたKOTOKOさんの姿を重ねていました。

もはや1曲目からグッときまくっている(ちょっと泣きそうになったくらい)のですが、ここで放たれてさらにフロアの高揚感を高めていくのが『Re-Sublimity』(ちなみにイントロ中に挨拶をしていました)で、序盤からシングル曲を連打する展開に! こんなんもうブチ上がる以外にないですというくらい...。こちらも中学生のときからずっと聴いていることで、一緒に人生を生きてきたという感覚がある1曲です。ナマならではの、間奏でのベースソロ→ドラムソロという仕掛けがひたすら楽しいことと同時に、改めて感じたのがKOTOKOさんがやっぱり抜群に歌が上手いということ。『being』同様、サビ終わりの伸びまくるロングトーンには拍手と歓声が上がるほどです。

そして、さらにその歌唱力を実感できるのが、ヘヴィーなバンドサウンドと打ち込みサウンドが同居する3曲目『リアル鬼ごっこ』。同名映画の主題歌として起用されていたことも懐かしいです。その映画の原作が学生のときに流行ってたという余談まで含めて、やはり自分の人生との接点の多さを如実に感じられるというところもあったり。

ここまで3曲連続でまったく音を止めずに来ているので、そろそろMC?なんて思っていたのですが、その予想は覆され、なんとそのまま4曲目の『羽』に突入。アニタイきっかけで入って中学時代に初めて手に取ったアルバムが『羽-hane-』だったので、そのヘヴィな内容を理解するのはなかなか時間がかかったなあなんてことも思い出されような楽曲なのですが、1サビ後の間奏が終わったところで逆回転するような音を含んだSEが。その後、はじまったのは大名曲『ひとりごと』! ここからメドレーへ突入していく、ということがわかります。

壮大なスケールを持つバラード『硝子の靡風』、ゲーム主題歌でありながらオリジナルアルバムにも収録された『Wing my Way』(めちゃくちゃ好きな曲なのでサビで泣きそうになったくらいに良かったです)、ディストーションギターが強烈な『UZU-MAKI』、ここまでの重めの流れから一転し軽やかさも感じられるような『サイダー』、かと思えばダンスナンバーへ振り切り、幻想的な『ε~イプシロン~』と『雨とギター』へ.....と、1コーラスずつであるがゆえにより強烈にKOTOKOさんの楽曲の幅広さを感じさせまくってくれるのですが、次曲からはI've独立後のタームへ突入していくということで、さらにその幅広さは拡張していきます。

ライブハウスで聴くからこその熱さもあるような爽やかかつ軽やかなロックナンバー『開け!ソラノオト』(あんまりにも良くてメドレーのクライマックス感すら感じました、実際はまだまだ続くのですが)、KOTOKOさんのキュートな振付をコピーしている客席の様子を含めて楽しいエレクトリックなポップチューン『☆-未来-列車-☆』、畳み掛けるメロディーとダンサブルなバンドアンサンブルがインパクト抜群の『空中パズル』と、ここまでトータルで何曲やったのすらもわからなくなってくるくらいの中で、曲を重ねるごとに演者、フロアともにさらに熱を増していく(なんならKOTOKOさんのフィジカルの常人離れした凄まじさにはちょっと笑いが出てしまいそうになるほど)のですが、ここで決定的にその熱気が増すのが『ロウきゅーぶ!』主題歌のセルフカバー『SHOOT!』。リアルタイムで原曲を聴きまくっていたこともあって、めちゃくちゃ思い出深い1曲です。それにしてもこのアニメ、もう放映が13年前になろうとしてるのかあ...なんて、時の流れの速さを感じるなかで、サビ入りで『廻-Ro-tation』が畳みかけてくる(この流れ、このメドレーで一番ヤバかったです)ものだから、もはや思い出に浸る隙すらないという勢い!

ここからはデビュー15周年を記念しルーツに立ち返った2作のアルバムのタームへ突入し、音色・メロディーからしてコレこそ!と言いたくなる『夏恋』、中沢さん(ひいてはI've)的でありながらも現代らしいエクストリームなパワフルさ全開のロックナンバー『醒-metalic tears-』、儚いメロディーとサウンドメイクに浸るような『水無月の恋~mimetic memories~』という名曲を連打。どんどん近年に近づいているはずなのに、ここでは往年のI'veを感じられて、やっぱりちょっと懐かしさがありましたね。

そして、前曲のアウトロで流れ始めた雨が降りしきるSEを切り裂くようにしてはじまるのがTikTokでもバズりまくった『NEEDY GIRL OVERDOSE』の主題歌『INTERNET OVERDOSE』です。「いいね よくないね」という歌詞が印象的なセクションで人差し指を上下する振付や、サビで両手を左右する振付が楽しすぎる...。ピアノソロのアウトロまで完奏したところでラストの1曲として披露されたのは『すうぃ~とさいくろん-☆いぇいっ☆-』というKOTOKOさん王道の萌え萌え電波曲。過去から現在へ向かってきたこのアルバムメドレーを締めくくる最新アルバムがこういった内容というところにKOTOKOさんと電波曲は切っても切り離せない存在であるということを改めて感じられました。

18曲にもわたる超長尺のアルバムメドレーを通してKOTOKOさんの積み重ねてきた歴史というものの一端を感じるというなかで、もう1点感じられたのがKOTOKOさんとファンとの信頼関係の深さです。言ってみれば、アルバム収録曲をこれだけ並べた上で絶え間なく演奏していくということは、メジャー・マイナー問わず盛り上がってくれるはずだというKOTOKOさんと、どの曲であっても盛り上がる自信があるというファンとの、双方向の想いが20年という時間のなかで伝わり合っているということであると思います。素晴らしい光景でした。

ここまで一切の間隙ナシに演奏を続けてきたので経験則からして次はMCだろうな、なんて思うところですが、この日のライブはそんな固定観念は通用しないということで、すかさず、超名バラード『同じ空の下で』へ。どう考えても感動する曲なのですが、メドレーでアドレナリンが出まくっているのかなんなのか、そういう感じにまったくならないという珍現象が発生...。それはつづく、『Imaginary affair』(1番では下手の、2番では上手の、お立ち台を使って歌っていました)も同様なのですが、とはいえ両曲ともに思い出深いことは間違いないです。ニコニコ動画の『KOTOKOファンが選んだKOTOKOの人気曲ランキングBEST100』という動画で出会ってから今も聴き続けているということで、ここで聴けて良かったな、と心から思いました。

この日は最早DJイベントかな?というくらいに音が途切れることがない(このあたりKOTOKOさんの古巣であるI'veがクラブミュージックを得意としているところとも共鳴するところがあるなあなんて思ったり)のは「次は47 SKY恒例の日替わり曲のコーナーです!」という曲フリの間も。今日は止まらずやりきるのかも、ということも薄々思いながら、というところで始まる日替わり曲はシングル『ZoNE-iT』のカップリング曲『call』という、バンドサウンドを軸としたバラードナンバーです。体全体を使って全霊で歌いきるようなKOTOKOさんの姿は、率直にカッコよすぎる...。

演奏を終えて、次の曲に向けてキックが鳴らされはじめる中で「今日のスペシャルな1曲は『call』でした!」とKOTOKOさんが告げたところで、再び一気に時計の針は遡り『LOVE A RIDDLE』へ。これまた名曲ですよ...。今日のセトリは刺さりすぎて、もうどうすれば...というくらいなのですが、まだまだここからさらに深く刺さっていくのは、活動最初期にAKIさんとデュエットするかたちで世に出た楽曲のソロバージョン『prime -"thank you" and "from now"-』です。若さゆえのストレートな筆致で書き上げられた歌詞はひたすらに未来を見据えていて、それは今ツアーでのKOTOKOさんの姿とオーバーラップするもの。大好きな曲であるということも相俟って、もうかなりグッときましたね...。

続いて披露され、いよいよライブ本編がラストスパートに入ったことを感じさせるのは『さくらんぼキッス~爆発だも~ん~』。コールアンドレスポンスを取り入れた2022mixでの入りとなったことで、よりライブで育ててきたアンセムであるということが感じられますが、もう人生でこんなに「キュンキュン!」って言ったのは初めてかも、「いぇい☆」と言いながらジャンプしたことは初めてかも、というくらいにブチ上がりました。しかも、後で調べたらこの曲は日替わり枠だったらしく。まじで観られて良かった...。それはラストに投げキッスをする、キュートなKOTOKOさんの姿も含めて...。

ポップかつ、盛り上がれて、それでいてKOTOKOさんの代表曲という流れで続くのは、同名アニメの主題歌として書き上げられた『ハヤテのごとく!』なのですが、この曲に関しては、タイアップ先の『ハヤテのごとく!』というアニメが自分をオタクにしたきっかけ、かつ、KOTOKOさんを知ったきっかけということで、もう思い入れしかないので、はじまった瞬間ア~~~~~~~~~~~~ってかんじでした。ハヤテくんに重なりつつも、リスナーの人生の指針にもなり得るような言葉が並んだ歌詞は、KOTOKOさんの作詞家としての巧みさが現れまくっていると思います。大名曲...。これも日替わり枠だったようで、聴けて良かったです、本当に...。

個人的には既に感無量でしかないのですが、ピークに向けて盛り上がりは続いていきます。爆裂するギターリフと強靭なビートとともに繰り出されるのは『Light My Fire』。リアルタイムで聴いたときから、ライブアンセムでしかないと感じる仕上がりでしたが、炎さながらの真赤な照明のなかで演奏されるこの曲はまさに!というものでしかないです。立ち位置もあったのか、正直この日は一貫して爆音だな~というかんじで、合唱パートとかも自分の音程があっているのかどうかもわからないくらいだったのですが、それでももうとにかく声を振り絞りました。普段はロックバンドの現場にばかり足を運んでいる自分なのですが、KOTOKOさんの現場ってそういったシーンとも共通するような熱気があると思っていまして、この日のセトリでもっともそれを感じたのはこの曲であったと思います。

興奮さめやらぬなかですが、つぎの曲を示す音が鳴り始め、続くのが最後の曲であることをKOTOKOさんが告げました。濃密だったこの日の本編ラストを飾るのは、デビュー日をタイトルに冠した『421-a will-』です。ラストにほぼアカペラに近い状態で観客一丸で合唱した「Thank you for your sincerely encouragement. I have my will, because it’s my gratitude to you.」には、この日の、そして20年続けてきたことのすべてが詰まっていると思いました。この場に居合わせられてよかったと思えるような光景だったと今あらためて感じます。

本編を終え、KOTOKOさんとメンバーが捌けたのですが、勿論この後はアンコールがあるということで、ファンの方の「アンコール行くぞ~~~!!!!」という号令に従い一丸となって再登場を待っているうちに、すこしして今ツアーのTシャツに着替えたKOTOKOさんたちがふたたび壇上へ。

アンコールへの感謝と高松の観客が今日の空(晴れ)みたいな笑顔で楽しんでくれていたことへの感謝や今朝うどんを食べたことを告げるとともに、「今日はノンストップでやってきましたが、どうでしたか?」、「楽しめましたか?」、「to glory初参加の人~?」(結構いた、半分くらい?)という問いかけ。初参加でしたが、勿論楽しかったです...! その流れで、メンバー紹介をしたのち、「残りのto gloryもあと6公演...だっけ?」とKOTOKOさんが言ったのですが、本人もサポートメンバーも観客も残りが何公演なのかわからなくなるという珍事が。立川でのライブを入れるかどうか、というところがあったと思うのですが、KOTOKOさんが言っていたのが最終的に合ってたということで、「も~あってるじゃ~ん!笑」という趣旨のことを言っていたのが面白かったです。

これまで参加した「Twinkle」と「Flash」では、ラン活のこと含めて結構MCは長めであるという印象もあった(とくに「Twinkle」は長めだった印象。普段のツアーではあまり行かない場所が多かったことによるサービスというのもあったのでしょうか)ので、ガッツリ話すのかななんて思っていたら、ここでもあまり話し過ぎず「せっかくアンコールいただいたのでもう少し歌っちゃおうと思います!」ということで、割とあっさりめにアンコールへ。

アンコール1曲目は『蒼-iconoclast』という、KOTOKOさんの転機のひとつでもあった楽曲です。あれだけの本編をこなしながら、こういったロックチューンを歌う元気が残っているということには驚くばかり...。そして、そんな熱さを感じさせる楽曲に続くのは、KOTOKOさんの楽曲のなかでも最大級のスケールを誇る超名曲『Face of Fact』です。こうしてナマで聴くと、KOTOKOさんの歌唱の力強さも含めて、そのスケール感を改めて実感しますね...。そして、Bメロで一丸となって飛び跳ねる客席の一体感もスゴい。こうして現場で聴けたからこそ実感できる熱気含めて、よりこの曲の凄まじさを知る時間となりました。

3回のツアーすべてセトリ被りなしなのにまだまだ聴けていない曲があるというあたりにKOTOKOさんの手札の多さを感じるのですが、いよいよアンコールもラストへ。メジャーデビューシングル『覚えてていいよ』で大団円へと向かっていきます。とかく悲しいことは忘れて切り替えていこうという励ましが蔓延る世の中において、悲しいことも全部「覚えてていいよ」というメッセージを籠めたこの曲の歌詞が、どれほど沢山の人にエールを与えただろうと思うほど素晴らしいのですが、こうしてナマで聴くことでその素晴らしさはこの上なく増幅されていると思います。それは、最後のサビを合唱する光景も含めて。このライブを纏めるにはこれ以上ないだろうと思う瞬間でした。(文章にきれいに収まらなかったので小文字で書いておきます。下手大島さん、センターKOTOKOさん、上手田口さんと、3人同時にお立ち台に乗ることが後半あったのですが、あの瞬間カッコよすぎておかしくなるかと思いました)

熱狂の2時間を終えて、最後にKOTOKOさんからの挨拶(残りの日程と立川ガーデンステージでのライブ、予定が合えばぜひ!という内容)と、最前にいた当選者へサイン入りドラムヘッドの手渡しでのプレゼントした後、恒例のマイクを通さない生声での「ありがとうございました!」でライブが終演。

 

いや、ほんっと~に良いライブでした。20年で培われてきたKOTOKOさんと観客との信頼関係。そしてデビュー以降の歴史を籠めたセトリを説得力あるものにするために、目に見える部分も見えない部分も含めて、どれほどの努力をしたのかと考えると、もうKOTOKOさんには感服するばかりです。

3公演にわたって参加してきた『47 SKY』、私はこれにて見納めとなりますが、とはいえ、次にライブを観られるのもそう遠くないと思っています。それこそ「Flash」でこれからも続けていくという心意気を話していたのを覚えています。20周年以降のKOTOKOさんが、今から楽しみです。

 

 

セットリスト
01. being
02. Re-sublimity
03. リアル鬼ごっこ
04. アルバムメドレー
・羽
・ひとりごと
硝子の靡風
・Wing my Way
UZU-MAKI
・サイダー
・ε~Epsilon~
・雨とギター
・開け!ソラノオト
・☆-未来-列車-☆
・空中パズル
・SHOOT! -KOTOKO ver.-
・廻-Ro-tation
・夏恋
・醒-metalic tears-
水無月の恋~mimetic memories~
・INTERNET OVERDOSE
・すうぃ~とさいくろん-☆いぇいっ☆-
05. 同じ空の下で
06. Imaginary affair
07. call
08. LOVE A RIDDLE
09. prime -"thank you" and "from now"-
10. さくらんぼキッス~爆発だも~ん~ [2022 mix]
11. ハヤテのごとく!
12. Light My Fire
13. 421-a will-
en01. 蒼-iconoclast-
en02. Face of Fact
en03. 覚えてていいよ

 

 

前に観た時の感想

 

トップページ